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地域を元気にするCSV

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第2回 EV観光ステーションによる地域活性、JTBグループ

赤池 学=一般社団法人CSV開発機構理事長【2015.10.13】

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観光先進国、スイス政府観光局の日本語ウェブサイト

 スイスは、世界的に知られる観光立国です。山間の貧しい国が、観光産業を創造することで、豊かな国へと変身を遂げました。

 その大きなエンジンが、アルプスの山々をはじめとする自然環境、スポーツアクティビティと公共交通機関を組み合わせて移動する旅行スタイル、「スイス・モビリティ」の基盤整備です。高山列車、そして乗り捨てにできる自転車、カヌー、ハイキング、トレッキングなどの多様な移動手段を柔軟に組み合わせたモーダルシフトと、荷物の転送サービスシステムを形にし、観光集客を形にしてきたのです。

宿泊施設の従業員と観光客がEVをシェア

 日本にもスイス同様の、世界には類を見ない素晴らしい自然環境や生態系が豊富に存在します。しかし、それらを存分に体験してもらうには、列車やバスでは行けない場所に分け入ってもらう必要があります。

 JTBグループは、スイスのように新たな旅のスタイルを構築することにより、地域回遊を促し、交流人口による経済波及効果の拡大と地域創生を目指すCSVプロジェクトを立ち上げました。それが、経済産業省や国土交通省と連携して推進している「EVモビリティ観光活性化事業」(EV観光ステーションの基盤整備)です。

 この基盤整備のキーファクターは2つあります。まず1つ目は「EV(電気自動車)カーシェアリング」です。これまで、中山間地、山間地の観光においては、その足をレンタカーが担っていました。レンタカー会社が保有する車両を、借受人である個人が有償でレンタルし、利用してきました。それに対し、JTBが注目したのは、カーシェアリング会社が保有する電気自動車を、事前に登録した個人会員が共同利用する「EVカーシェアリング」システムです。

 とりわけ特筆したいのは、JTBグループの競争基盤である観光宿泊施設のネットワークを活用し、観光宿泊施設の経営者、従業員と、宿泊客でシェアリングするという新発想のビジネスモデルを構築したことです。そのスキームは、有償貸渡事業者である日産レンタカーが、取次店として観光宿泊施設にカーシェアリング業務を委託し、宿泊客がその観光宿泊施設に利用申し込みと時間従量制の利用料金の支払いを行い、電気自動車による観光移動を行うというものです。

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箱根のEVシェアリングのパンフレット(資料:JTB)

 このシステムを導入した宿泊施設は、充電器が設置され、EVが配備された駐車スペースを、EVカーシェアスポットとして提供しています。電気自動車を、宿泊施設の社用車や、従業員の通勤用車両として活用しながら、宿泊客への二次交通、三次交通として、コンビニエントなモビリティ環境を観光地に構築しているのです。

 言うまでもなく、環境・エネルギー問題の解決策の一つである電気自動車の普及と、地域における二次交通、三次交通の構築は、国策です。こうした公益としての社会課題の解決を図りながら、JTBグループは回遊性の向上を促して交流人口の最大化を目指し、新たな旅のスタイルを構築しながら、事業としての旅行商品を形にしたのです。

企画・運営
  • 日経BP総研


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