• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

地域を元気にするCSV

記事一覧

プロジェクト編 第10回

自治体と連携して取り組む、使用済み紙おむつの再資源化プロジェクト(ユニ・チャーム)

一般社団法人CSV開発機構・編【2018.5.14】

ここを学びたい
――快適、幸福をメッセージする環境CSV事業を展開!!

赤池 学=一般社団法人 CSV開発機構理事長

赤池学(あかいけ・まなぶ)氏
1958年生まれ。81年筑波大学生物学類卒。96年、ユニバーサルデザイン総合研究所設立、2014年CSV開発機構設立。科学技術ジャーナリストとしても活動(写真:北山宏一)

 ユニ・チャームは創業以来、培ってきた不織布や吸収体の加工・成形技術を活かし、肌にやさしい、漏れない、締め付けない、紙おむつ「ムーニー」に代表されるベビーケア事業、生理用品「ソフィ」「センターイン」をはじめとするフェミニンケア事業のトップメーカーとして、業界をリードしてきた企業である。ここで特筆したいことは、同社の事業そのものがまず、「商品開発を通じたCSV」であり続けてきたことだ。

  さらに、1987年に「大人用紙おむつ」の販売に本格参入して以来、ヘルスケア事業としての排泄介護用品の普及拡大も牽引してきた。中・重度、及び軽度失禁の両方において、消費者ニーズを捉えた商品開発と市場創造に努めてきた結果、大人用紙おむつなど大人用排泄ケア商品(軽・中・重度失禁)を示すヘルスケア事業で現在、50%を超える圧倒的な店頭シェアを有している(ユニ・チャーム調べ)。

  軽度失禁市場はこれまで、女性用品が主流だったが、男性もまた軽い尿漏れに悩む人々が多いことから、男性用尿漏れケア専用品「ライフリー さわやかパッド男性用」の吸収量のラインナップを拡充し、早期のセルフケア実現に向けた取り組みを行ってきた。また、大人用のテープ止め紙おむつでは、加齢に伴う筋肉量や運動量の低下で足回りが細くなることによって発生する、足繰りの隙間からの漏れを低減する特許技術「すきまピタッとギャザー」を商品に搭載し、漏れ率を従来の4分の1に低減したのも同社である。

  こうした商品開発を通じたCSVを支えているのは、「地域や生活者を啓発・支援するCSV活動」である。

  ベビーケア事業においては、愛媛県四国中央市での「子育て応援乳児紙おむつ支給事業への協賛」、生産拠点のある静岡県掛川市への「お子様の出生届時にお祝いの品として贈るベビー用紙おむつの寄付」などを行ってきた。また、2014年からは、日本の病院向けに、2500g以下の低出生体重児専用紙おむつ「ムーニー エアフィット」などの開発・販売も行っている。

  フェミニンケア事業においても、アジア地域を中心に、「初潮教育」を展開してきた。女性の生理のメカニズムや生理用品の正しい知識を伝えながら、衛生改善を行い、女性の自立を支援してきたのである。

  今回取り上げたヘルスケア事業においても、健康寿命延伸に向けた積極的な取り組みにより、市場の活性化を図っている。その1つが、目的を持って社会と触れ合うことで、閉じこもりゼロを目指す、「ソーシャル・ウォーキング体験会」の推進だ。ソーシャル・ウォーキングとは、「社会参加&歩行」の造語で、人と関わり、楽しみながら歩くことを誰にも取り組みやすいカタチにした認知症予防のためのウォーキングで、東京都健康長寿医療センター研究所の監修のもと、同社が考案したものだ。こうしたCSV活動の根底にあるのは、「ヘルス(健康)からウェルネス(快適)へ、そしてウェルビーイング(幸福)へ」、という、温もりある企業メッセージである。

  近い将来、台湾やタイ、インドネシア、中国、インドといったアジア市場でも、日本以上のスピードで高齢化が進み、大人用排泄ケア用品の需要が本格化することが見込まれている。同社は今、世界一の超高齢社会と言われる日本で確立したケアモデルをアジア地域に普及させようとしていることも、特筆したいもう一つのポイントだ。

  中国では引き続き、Eコマース市場が拡大し、高品質で安心、安全な日本製の紙おむつとパンツタイプの紙おむつが急成長している。インドネシアでは、商品グレードアップによる収益性改善に着手した結果、市場シェアは圧倒的なNo.1を誇る(ユニ・チャーム調べ)。人口超大国インドでは、供給拠点となる三つ目の工場建設も予定している。そして、国内でも、アジア地域への輸出拡大と国内生産体制の強化を図るべく、福岡県京都郡苅田町に新たな工場用地も取得した。 本編では、「使用済み紙おむつのリサイクル」という、環境CSVについてレポートしたが、その背景にある多様で本質的なCSVの実践、そしてここで触れた公益活動と事業益を両立させる戦略的、かつ大胆な経営投資計画を、ユニ・チャームの実践から学んで欲しい。

企画・運営
  • 日経BP総研
健康ソリューション

<新設!>医療、福祉、スポーツ、ウォーキング、食育……「健康」と地域活性化を結び付けた取り組みが活発化しています。


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

ページトップへ