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地域を元気にするCSV

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第10回 茶産地に産業クラスターを形成する、伊藤園(1)

バリューチェーンのCSVを競争戦略に(前編)

赤池 学=一般社団法人CSV開発機構理事長【2016.2.23】

 CSRの世界で、伊藤園の名前を知らないものはいない。同社の緑茶を中心とした飲料事業は、CSVの“模範演技”ともいえるバリューチェーンを展開している。ポイントは次の三つだ。第一に、「茶畑から製品まで」の独自の一貫体制を確立したこと。第二に、調達、商品開発、製造、物流、営業、販売、マーケティングまでの一連の流れ、すなわちバリューチェーンの循環連携構造を競争戦略として展開していること。そして、第三は、その中核に、CSR、CSVの理念を明確に位置付けていることである。

 伊藤園は、こうした経営戦略全般が高く評価され、2013年に「ポーター賞」を受賞している。ポーター賞とは、日本企業の競争力を向上させることを目的に、一ツ橋大学大学院国際企業戦略研究所が創設した表彰制度である。賞の名前は言うまでもなく、CSVの提唱者であるハーバード大学のマイケル・ポーター教授の名を冠したものだ。なお、この賞はCSVの取り組みを顕彰することが目的ではなく、経営戦略そのものが評価対象である。今回、次回と、伊藤園の実践を2回に渡ってレポートする。

生産から流通までの各領域でCSVを生み出す

 「伊藤園の活動システムマップ」をまず、ご覧いただきたい。上から下へ、高い茶葉調達力から、市場創造力、流通・消費者との接点づくりまで、そこにはCSVが生まれる事業活動の領域が整理されている。

伊藤園の活動システムマップ。茶畑から製品までのバリューチェーンを構成する各活動が相互に調和することで相乗効果を生み出している。(資料:伊藤園〔一橋大学大学院国際企業戦略研究科ポーター賞運営委員会作成の「活動システム・マップ」を元にデザインを改変〕)
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 マップの左には、製造段階でのファブレス方式、右には、販売を支える地域密着型のルートセールス・システムが位置づけられている。特筆したいのは、それぞれのアクションを相互に連携させた、競争力開発の循環構造が、企業戦略として定義されていることである。

 ファブレス方式により、製造委託企業とは、様々な連携を形にし、商品の幅広いラインナップを実現。その様々な商品は、独自の地域密着型のルートセールス・システムにより、全国201拠点から地域の売場ごとに顧客ニーズに対応した形で品揃えされている。そして、そうした現場からの声を活かす「Voice制度」の採用により、さらなる商品開発につなげているのだ。こうしたバリューチェーン全体の独自性を持つ活動が融合し、調和することで、数多くの相乗効果が生まれ、以下に示す各活動におけるCSVの成果を実現してきたのである。

企画・運営
  • 日経BP総研


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