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地域を元気にするCSV

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プロジェクト編 第5回

エコカートによる次世代交通対策事業(輪島商工会議所、ヤマハ発動機)

一般社団法人CSV開発機構・編【2017.1.30】

特区提案は不採用も、粘り強い協議で公道走行を実現

2014年11月12日の公道走行実験出発式の模様(写真提供:輪島商工会議所)
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住民を乗せて輪島市内を走行するエコカート(写真提供:輪島商工会議所)
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 このプロジェクトへのゴルフカーの提供、公道走行向けの改良を手掛けたのは、ゴルフカーメーカーとして国内最大手のヤマハ発動機である。ヤマハ発動機は、国内のみならず、北米を中心としたゴルフ場で豊富な導入実績を持つが、生活圏内での短距離移動用の交通手段としてゴルフカーを活用することができれば、より大きな市場を開拓することができる。

 しかし、ゴルフカーを公道で走行させるためには、道路交通法や道路運送車両法などの規制が存在するため、多くの社会実験は観光施設の敷地内など、非公道で行われてきた。だが、それだけでは低速走行するゴルフカーが他の車両や歩行者に与える影響など、実際の社会実装に向けたデータが取得できないため、本格的な地域交通インフラ整備にたどり着けない。

 そこで輪島商工会議所は、2012年、政府に対して構造改革特区における規制の特例措置の提案を行ったが、採用には至らなかった。しかし、輪島商工会議所を中核としたプロジェクトチームは、非公道での自動走行実験と並行して、公道での走行を可能にするため、経産省・国交省自動走行ビジネス検討会の座長を務める東京大学大学院新領域創成研究科人間環境学専攻の鎌田実教授からの助言を仰ぐなどしながら、国土交通省や警察関係機関との調整をスタート。幾度となくプロジェクトへの理解を得るためのミーティングを重ね、ようやく2014年11月に、ウインカーやバックミラー、ライトなどを備え付けることにより軽自動車ナンバーを取得。翌2015年から市内2コースでの運行サービスを開始し、翌年には、1コース追加して現在3コースで運行を行っている。

 エコカートは、現在までに非公道での実証実験の時期も含めて、延べ5000人程の人々に利用されてきた。2016年11月からは、走路に埋設した磁石によってカートを自動で誘導する「電磁誘導」による公道での自動走行実験を開始。走路上の障害物回避などの際に、有人操作を優先するオーバーライド機能を付加することで、安全対策を向上させた。現在、市街地に8コース程度の自動走行コースの構築を目指して、交通政策に関する関係機関や利用者層である市民関係団体との協議体を組織し、利活用促進策や運行の在り方などについて協議を重ねている。様々なデータを蓄積しながら、新たな交通インフラとして、着々とステップを踏んでいる。

 
■プロジェクトの推移
  • 2010年~2013年
    住民、観光客の交通手段調査の実施。
    市街地内や観光ポイント(非公道)でエコカートの走行実験を実施。
  • 2012年2月
    構造改革特区申請を提出するが、取得ならず。
  • 2013年
    国土交通省及び警察関係機関との調整。
  • 2014年11月
    エコカート2台について軽自動車ナンバーを取得。
    エコカートの公道でのテスト走行を開始。
  • 2016年11月
    エコカートによる公道での自動走行開始。
■達成した数字
  • 2015年度における乗車人数
    2170人
  • 2010年度から2015年度までの累計利用者数
    4932人(2011年度870人、2012年度1300人、2013年度287人、2014年度305人、2015年度2170人)
企画・運営
  • 日経BP総研


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