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第4回 アラブ首長国連邦・マスダール・シティ――当初計画は大幅な変更ながら「再エネの世界拠点」を目指す

藤堂 安人=日経BPクリーンテック研究所【2016.11.21】

 アラブ首長国連邦(UAE)の中で最大規模を誇るアブダビ首長国の首都、アブダビ市。その近郊の砂漠地帯で、人口約5万人、面積約6.5km2の人工都市「マスダール・シティ」の建設が進んでいる。CO2排出量ゼロの究極のエコシティを目指した意欲的な計画で、構想では、例えば電力はすべてシティ内における太陽光発電などの再生可能エネルギーで賄う(写真1)。造水も域内の海水淡水化プラントで生成、クルマも電動コンパクトカーなどの次世代交通システムを導入し、ガソリン自動車はシティ内に入れないといった熱の入れようである。

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写真1●マスダール・シティの完成イメージ(出所:Masdar)

 ただし、計画は大幅に遅れ、内容も修正を余儀なくされている。2016年の完成を目指して2006年に開発が始まったものの、2010年には計画が見直された。この時点で完成予定時期は2020〜2025年とされたものの、その後も計画はさらに遅れた。2016年時点では2030年まで先延ばしするとした。

 計画内容についても、再エネをシティ内で自給するのではなく、外部から調達する方針に変更。シティ全域へ導入予定だった無人運転電動コンパクトカー「PRT(Personal Rapid Transit)」も研究施設内での利用にとどめ、代わりにEV(電気自動車)の導入を検討することにした。220億ドルの総事業費についても10〜15%圧縮すると発表した。

 欧米・日本などマスダール・シティに参加している企業関係者からは、あまりの計画遅延と内容変更に、「ゴーストタウンになるのでは」といった声まで出ている。しかし、日経BPクリーンテック研究所が2016年2月に取材したマスダール市の担当者はむしろ悠然とした態度で、余裕さえ感じられた。

 その理由は、アブダビ政府の狙いが単に新都市を作ることではなく、アブダビを「世界の再エネ開発拠点にする」ことであり、その長期方針には揺るぎがないと見ているからのようだ。

目的は「石油に代わる新しい資源を生み出す」

 もともとマスダール・シティ計画は、2006年にムハンマド皇太子の指揮のもと、石油に代わる新エネルギー資源を開発する「マスダール・イニシアチブ」と呼ばれる構想を発表したことに始まる。「マスダール」とはアラビア語で源泉または資源という意味で、石油に代わる新しい資源を生み出そうという想いが込められている。

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