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第7回 オーストリア・ウイーン市――歴史的建造物と街のスマート化を調和、観光産業のさらなる発展図る

藤堂 安人=日経BPクリーンテック研究所【2017.2.14】

 歴史と芸術の街として知られるオーストリア・ウイーンを、環境負荷が少なくサステナブルなスマートシティに変えようというプロジェクトがスタートしている。もともと同市には歴史的な建造物、美術館・音楽館などが並び、多くの観光客が集まる。そんな街をスマート化して、より魅力的にすることで、観光産業をさらに活性化しようという狙いである(図1)。

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図1●歴史的建造物の脇を走る電動バス(出所:TINA Vienna)

 事の起こりはオーストリアのEU(欧州連合)加盟に遡る。1995年のことだ。これ以降オーストリアは、欧州各国とのインフラ共通化を図るようになった。まず1997年に、オーストリアの交通網や電力系統網などのインフラを共通化することを目的に、政府系コンサルタント機関のTINA(Transport Infrastructure Needs Assessment)Viennaを設立した。同機関は、「政権が交代しても政治に左右されずに確固たる計画を策定、実施するために設立された」と担当者は語る。

 2009年からEU各国がスマートシティを志向するようになると、インフラのときと同様に、オーストリアもEUの一員としてスマートシティづくりを目指すことになった。そこでウイーン市は2011年、TINA Viennaの協力の下でスマートシティのフレームワークと2050年までの目標を策定した。

バスの電動化や路面電車の省エネ化を推進

 このフレームワークは、リソース、イノベーション、QOL(Quality of Life:生活の質)の3本の柱からなり、それらを示すロゴも作成された(図2)。赤がリソースでエネルギー、モビリティ、インフラストラクチャー、ビルディングの4要素、青色がイノベーションで教育、経済、研究・技術の3要素、黄色がQOLで環境、健康、社会参加の3要素からなる。

図2●スマートシティ・ウイーンのロゴ
赤がリソース、青色がイノベーション、黄色がQOLを意味する(出所:TINA Vienna)

 他の欧州諸都市と比べてウイーンが特に力を入れているのは、「QOLの向上だ」と、TINA Viennaの担当者は言う。欧州各都市が一斉にスマートシティ化を目指すといっても、都市の成り立ちや地理的条件などに応じてスマートシティの考え方は違ってくる。例えばデンマークのコペンハーゲンは、2050年までにカーボン・ニュートラルを達成するという大胆な目標を掲げた(詳細は本連載第5回)。しかし洋上風力発電の適地の少ないウイーンがそうした目標を掲げるのは無理がある。ウイーンの特徴は、観光客を呼び込む歴史的建造物や芸術的な街並み。そこで、歴史的建造物を残しつつ、観光客や市民のQOL向上に最も力を入れることにしたのだという。

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