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食育先進都市、バークレー

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バークレー市民がこだわる「安全な食への自由なアクセス」

ファーマーズマーケット、コミュニティガーデン、そして「種の図書館」

黒田 隆明【2017.6.23】

米国カリフォルニア州のバークレー市は、人口約11万人の小さな都市だ。1960年代から70年代にかけてヒッピー文化が花開いた街であり、同地のカリフォルニア大学バークレー校では学生運動も活発だった。今でもリベラル、反体制の気風が残る土地柄だ。地球環境に配慮するスローライフや地産地消といったライフスタイルとも親和性は高く、当然、オーガニックに対する感度も高い。そこには「安全な食に対して、自由に、サステナブルにアクセスできること」への強いこだわりがある。象徴的な市民主導の3つの取り組みを見ていこう。

バークレーのファーマーズマーケットの様子(写真:宮原 一郎)
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「雨の日も風の日もお客さんが来る」というファーマーズマーケット

 「サクラメントでも毎週日曜日のファーマーズマーケットに出ていますが、休日のサクラメントより平日のバークレーの方が人がたくさん来ます。しかも、雨の日も風の日もお客さんがやってきます」

 バークレーのファーマーズマーケットに週に3日出店している有機農園「リバードッグ・ファーム(Riverdog Farm)」のトリニ・キャンベル氏はこう話す。

 「(バークレーは)通年でファーマーズマーケットを開催しているので収入が安定して助かります。地域によっては寒い季節は閉じてしまいますから」(キャンベル氏)。リバードッグ・ファームの場合、レストランなどへの卸、CSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー:契約した地域市民に定期的に直接野菜を届ける仕組み)、そしてファーマーズマーケットの収入が、それぞれ3分の1くらいの割合だという。

リバードッグ・ファームのトリニ・キャンベル氏。ナパ郡の農園は広さ約350エーカー(1エーカー=4046.86m2)で従業員は50人。CSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)のお客さんに毎週いろいろな野菜を届けるため、メーンとなるトマトは100種類以上栽培しているという(写真:宮原 一郎)
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 バークレー市では、火曜・木曜・土曜の週に3回、曜日ごとに場所を変えながら通年でファーマーズマーケットが開催されている。木曜日はオーガニック限定。他の曜日はそうした決まりはないが、取材で訪れた土曜日は、やはりオーガニック産品が目立っていた。需要のあるものが残っていくということなのだろう。

 キャンベル氏は続ける。「ファーマーズマーケットでは農場でとれた卵も売っていますが、バークレーだと『ニワトリにはどんなものを食べさせているの?』といった、育て方にまでこだわった質問をしてくる人が多いですね」。

 ファーマーズマーケットで買い物をするということは、小規模事業者を支援するということにもつながる。裏を返せば、市民が安全でおいしい野菜をいつでも買える環境を守ることができる、ということでもある。それだけでなく、ここでのやり取りは生産者と消費者との親密さを深め、消費者の知識やリテラシーも高めていく。ファーマーズマーケットという場を通じて、バークレー市民の「食」に対する高い意識が育てられているという面もあるのだ。

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ファーマーズマーケットでは、加工品もオーガニックのものが多い。左写真は「Bariani Olive Oil」のエンリコ・バリアーニ氏。「20年以上前からきています。今ではここでの売り上げ比率はほんの少しだけれど、お客さんの生の声が聴けるから参加しています」と語る。日本にも商品を卸している。右写真は「Morell's Bread」のエドワード・モレル氏。店舗は持たず、レストランへの卸やオーガニック食品店舗、ファーマーズマーケットで販売をしている。毎週水曜は製パン所でも販売しているという(写真:2点とも宮原 一郎)
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