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食育先進都市、バークレー

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学校を起点に地域の「食」を変える、アリス・ウォータース氏

地産地消、オーガニックの“レジェンド”が食育を語る

聞き手:高橋 博樹 構成:黒田 隆明【2017.6.19】

モデルをつくり、若い人を巻き込む

バークレー市シャタック通りの「シェ・パニーズ」。いくら人気が出ても支店は出さず、この地で45年以上続いている(写真:宮原 一郎)
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――ところで、アリスさんはずっとずっとバークレーに住み続け、シェ・パニーズも支店を出さずにずっとここでレストランを続けています。バークレーはアリスさんにとって特別な場所なのでしょうか。

 「バークレー人民共和国」だから(笑)。私がここに住むのは、ここに住む人と多くの価値を共有しているからです。私にとってのサポートシステムなんです。

 私はいろいろな場所に行き、世界中で講演をしますが、1つでいいからレストランとしてできる限りのことをするのはとても大事なことです。バークレーでESYをモデルとして最高のものにすることも大事。私は同時にいろいろな場所には存在できません。自分の人生で好きなのは、1つの場所にいることで、常にそこにいることができること。1つの場所でできることは、たくさんあるのです。

 レス・イズ・モア。スローフードの重要な価値観です。

――友達を喜ばせたくてレストランを始めたとお聞きしています。

 私がこのレストランを通じてやろうとしているのは、人の無意識の中で、五感を通じて「この場所にはおいしいものがあるらしい」と感じてもらうこと。みかんをテーブルでむいてもらったり、オーブンの火の匂いがダイニングに漂ってくるようにしたり、花を飾って美しい場をつくったり――。みんなが驚くような形でお客さんに料理を体験してもらいたいのです。インフォーマルなレストランをつくりたい。キッチンに気軽に入ってきてほしいし、それによってレストラン業の神話を崩したい。誰にでも簡単にできると感じられるように。

 また、今の時代には、メニューに産地を書いたり、生産者に光を当てたりすることはとても重要だと思います。そして収穫のお祝いをすること。そこで私たちは毎年7月にニンニク祭りをしています。再び農業の伝統に光をあて生き返らせる必要があります。そこに従事している農家の人たちの大変な労働への認識が大事なのです。

(写真:宮原 一郎)
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――ESYやシェ・パニーズの考え方や取り組みは、日本でも地域活性化のヒントになりそうです。

 米国でも同じこと(持続可能な農業を地域活性化に結び付けようとする動き)が起こっています。実際、ルイジアナでも米国農務省農村地域開発局がスローフードのイベントに来て、「地方経済を活性化するために学校に焦点をあて、学校で地産地消をすることは連邦政府の助成に値する」と言っていました。日本でも同じことを考える人がいても不思議ではありません。

 一番大事なことは、モデルをつくること。1つの学校でも、いくつかの学校でも、それができるということを見せるのです。そこで何が起きているかを人々が見れば、信じることができるでしょう。それから、プロジェクトに若い人を巻き込むことも大事です。

 もしESYのモデルがもっと世界に広がるとしたら、その可能性が一番高い国は、日本やフランス、アイルランドやイタリアだと思います。なぜなら農業の歴史や食の長い歴史があり、政府が一定基準を持って学校運営をしていて、やる気のある若者がいるからです。もし日本でできたら、世界の中でのすばらしいモデルになると思います。

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