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食育先進都市、バークレー

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学校を起点に地域の「食」を変える、アリス・ウォータース氏

地産地消、オーガニックの“レジェンド”が食育を語る

聞き手:高橋 博樹 構成:黒田 隆明【2017.6.19】

自分たちで食べ物を栽培して料理すると食べる

(写真:宮原 一郎)
[画像のクリックで拡大表示]

――ESYの取り組みは、コミュニティにどのような影響を与えていると思いますか?

 重要な点は、ESYの中に文化を取り入れることです。つまり世界的な理解を持つことが大事なのです。スペイン語を教えつつ、メキシコ料理を食べ、メキシコの文化を学ぶ。シルクロードのインドの歴史を学びながら、チャパティとレンズ豆の料理をつくり、その場所について学ぶのです。

 私は子どもの頃、お母さんの友だちが買ってきてくれたお箸や、持っていた着物、小さな器を見ながら日本に興味を持ち、それによって日本に行きたいと思うようになりました。そういう経験を学校で与えなくてはいけないのです。

 自分たちの国の伝統だけではなく、世界の伝統を学ぶことが大切です。なぜなら私たちはつながっているから。私たちは起きていることに興味を持たないといけない。今は、米国でアフリカの音楽を聴いて、リアルタイムでそれにつながることもできます。干ばつを経験している世界の別の土地の人と、どう干ばつを乗り切るかについての会話もできます。世界的視点が農業の一部になくてはいけません。

  こうしたことはすでに起こり始めているけれど、学校を通じてそれらを体系化して、文化としてサポートをしていくことが重要です。地方のコミュニティは、外とのコミュニケーションがあまりないため、人々は面白いことは畑ではなくすべて都会で起こっていると感じてしまう。そこで国際的な教育が重要なのです。

――ESYに続いて、学校給食の改革も進めていますね。

 地産地消は、学校でできることがたくさんあります。一年間ある農家にコミットしてサポートをすることで、野菜が毎週家に届くCSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)というシステムがあります。それを学校給食でできると思っているのです。

 その条件としては、まずオーガニックな野菜を地域の農家から買うこと。大事なのは学校と農家との間に直接的なつながりができることです。農家の生活を学校がサポートできること、食べ物をつくるうえでのすべてのコストをカバーする賃金を払ったり、彼らの生活を支える関係性をつくること。梱包はいりません。そして仲介業者もいりません。農家から学校への直接的な関係です。

――ESYの活動を通じて、これまでに最も感動したことは?

 22年間この活動をして学んだのは、子どもたちは「自分たちで食べ物を栽培して料理すると食べる」ということ。ESYに来る子どもの中には外で遊んだ経験のない子もいます。けれど、栽培するとほとんどの子が食べる。料理するとほとんどの子が食べる。そして、育てて料理するとすべての子が食べ、それを好きになる。この経験は人を変えます。それが私の生きがいになっているし、この方法は正しいと分かる。かれらにとって一生ものの変化が生まれるのです。子どもが自然に恋をするのです。

――それによって地元への愛着も生まれると思いますか?

 もちろん。花や木の名前を知り、自然が友だちになることによって、「何が食べられるかな」と周りを見渡すようになる。四季の変化に気付くようにもなる。そのことが人生に意味を与えてくれるのです。変化や成長、死は人の人生のメタファーになります。私たちは自然であり、深い部分でつながっているのです。それを理解するのは大切なことです。私も、いつも周りを観察しています。

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