• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「稼ぐ公民連携」基本十カ条

記事一覧

第五条 まちにダイブせよ!

清水 義次=一般社団法人公民連携事業機構 代表理事【2015.8.5】

 民間が稼ぎ税金を支払う。そのお金で行政が運営されている。小学生がわかるこの仕組みが今、機能していない。

 行政が稼ぐインフラをつくり、民間が地域で新たな事業を生み出し、稼ぎ、行政に資金を拠出して公共サービスを充実させていく。その時、ただ稼ぐことだけが求められているわけではない。稼ぐと同時に市民生活に役立ち、市民のライフスタイルを楽しくより豊かにする事業を行うことが、民間側にも公共側にも共に求められているのだ。すなわち「志とソロバンの両立」である。公共は清く正しく使うだけの組織ではダメ。民間もただ稼ぐだけの会社ではダメなのだ。

「公共性があることは良いこと。でも公共がお金を稼いではいけない?」
「公共性があることは良いこと。それなら公共性を持って稼いでみたらどうだろうか?」

 こうした一見相矛盾するかに見える課題解決は、今までのような効率的、合理的な思考方法だけでは達成不可能である。それに代わる、クリエイティブで、行動的な思考方法が必要になる。

●「まちにダイブ」する3人は新しいものをつくり出す
[画像のクリックで拡大表示]
写真左から、大島芳彦さん(ブルースタジオ)、嶋田洋平さん(北九州家守舎/らいおん建築事務所代表)、岡崎正信さん(オガールプラザ/オガールベース代表)。クリエイティブで、行動的な思考で魅力的なまちのコンテンツをつくってきたこの3人には、ある共通点がある……

 クリエイティブな思考方法は、まちにダイブすることから始まる。まちを歩き、まちと人を観察する。まちにどっぷり自分自身の身体を浸して、まちで暮らす人たちの中に飛び込んで、その場の空気を胸いっぱい吸い込み、まちと人を体感する。これを毎日楽しみながら1、2年間続ける。すると、不思議なことに生活者の潜在意識の変化がつかめるようになる。もし、お客様(市民)の潜在意識の変化を感じ取ることができれば、近未来の生活と近未来まで続く産業をイメージできて、継続して稼ぐことができるはずだ。

 いつから日本人は自分でものを考えなくなってしまったのだろうか?白か黒か、右か左か、正しいか正しくないか、ただ正解だけを求めて二者択一的な考え方だけをする癖をやめよう。それ以外の道もあるだろうとポジティブに考えて見たらどうだろうか。

理屈を言う前にまずダイブ

 リノベーション建築家の大島芳彦さん(ブルースタジオ)は、全国各地を飛び回っている。あたたかなこころと強靭な胃袋の持ち主で、毎晩まちへ繰り出し晩飯だけで3食は食べる。そして、個々のリノベーションプロジェクトを見事なストーリーとともに周囲のまちへ繋げている。これぞ本物のリノベーションだ。

 北九州市小倉魚町3丁目界隈で、小倉家守プロジェクトを牽引する嶋田洋平さん(北九州家守舎らいおん建築事務所代表)も、毎日のようにまちを歩き、まちを観察し、面白い人に会い、次々に新しいアイディアをリノベーションスクールに持ち込み、試している。空きビル、空き店舗、空き家だらけだった小倉のまちなかに、アート&クラフト、新業態の飲食、シェアオフィス、ゲストハウス、リノベーション等々の都市型産業が集積し始め、まちに賑わいが戻って来ている。

 岩手県紫波町のオガールプロジェクトに、次々に新しいまちのコンテンツを埋め込み続けている岡崎正信さん(オガールプラザオガールベース代表)は毎晩のように、まちへダイブし、まちと人を観察し続けている。

 そして、眼科医、歯科医、学習塾、子育て応援施設、おしゃれで美味しいシアトルコーヒーとワインが飲めるカフェ、毎晩客が絶えない地産地消居酒屋、生鮮三品が揃った産直、バレーボール専用体育館、デザイン性の高い宿泊特化型ホテル、農業のビジネス支援図書館、新しい公民館機能を果たす情報交流館、紫波町産材を使った建物群、超快適なエコハウス等々、新しい暮らしのコンテンツを人口3.3万人のまちに創り出している。

 3人に共通する特徴がある。それは、みな好奇心の塊だということ。一緒にまちを歩くと、このことがすぐにわかる。面白そうなモノ、面白そうな人の匂いを貪欲に嗅ぎ別けて、それに向かって突進していく。どのまちでも、ただただそれを繰り返している。誰一人、理屈を言わない。身体で何かを感じ取り、それをプロジェクトに反映させて、そして新しいものをかたちにして、まちが変わっていく。

企画・運営
  • 日経BP総研


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

pickup

ページトップへ