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「稼ぐ公民連携」基本十カ条

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第四条 公民連携の資金は銀行にある

岡崎 正信=一般社団法人公民連携事業機構 理事 【2015.7.15】

 基本十カ条の第四条は「公民連携の資金は銀行にある」です。

 公民連携で進められている岩手県紫波町のオガールプロジェクトの中核施設「オガールプラザ」は、2012年6月に一部を開業し同年9月に全館開業しました。町の施設(図書館と使い勝手の良い各種スタジオをそろえた情報交流館)が施設の真ん中に配置され、産直施設「紫波マルシェ」、飲食店、学習塾、クリニック医院などが同居しています(フロアの配置図はこちら)。

 公民合築施設「オガールプラザ」の事業主であるオガールプラザ株式会社は、紫波町と事業用定期借地権契約を結んで敷地を借り受け、計画から開発、管理運営までを一貫して行っています。開発に必要な資金は、国土交通省所管の財団法人民間都市開発推進機構と町、およびエージェント企業(地主である紫波町の代理人としてオガールプロジェクト全体を管理する企業。第二条参照)であるオガール紫波株式会社からの出資、そして、地元金融機関(東北銀行)からの融資で賄いました。つまり、民間施設部分について、行政からの補助金などは一切活用していません。

[画像のクリックで拡大表示]
オガールプラザの公共施設部分は紫波町が買い取り、民間施設部分は行政からの補助金は一切活用せず、出資と融資で資金を調達した(図中の「民都」は民間都市開発推進機構のこと)(資料:オガールプラザ)

一番力を注がなければいけないのは完成後の「稼ぐ計画」

 地域活性化事業や今般の地方創生などの政策が出てくると、地方自治体も民間も、行政からの補助メニューをあてにして事業を組み立てようとしがちです。確かに、補助金をもらった方が、建設費など多額の費用について先々の返済額を大幅に減らすことができるのですから、誰しもが補助金メニューを物色することは至って普通のことと言えます。

 でも、そこに落とし穴があるのです……。まず、事業者は補助金をもらうために、補助金の出し手である行政の考えに沿った事業計画をつくることになってしまいます。しかし本来、事業者が向き合わなければならないのは、活性化を目指す事業そのものです。では、活性化とは何でしょうか。人が賑わい、そこで時間を過ごし、そしていくらかのお金を落としていくようにすることです。これができてこそ、活性化は実現します。

 我々は「人が賑わい、そこで時間を過ごし、そしていくらかのお金を落としていく」ようにすることを「稼ぐ」と表現していますが、残念ながら行政の方々は「稼ぐ」ことが一番苦手な方々です。一方、補助金は建設コストなどイニシャルコストに充当されるのが一般的です。つまり、完成後に力を注がなくてはならない「稼ぐ行為」以前の補助金なのです。

 従って、補助金があるがゆえに施設を建設することはできても、本来、一番力を注がなければいけない完成後の「稼ぐ計画」を蔑ろにしてしまう。そんなケースが、「稼ぐ」ことが苦手な行政が主導するプロジェクトでは数多く存在しています。

 だからこそ、活性化事業には銀行(金融機関)から融資を受けることが必要なのです。なぜなら、銀行という外部の厳しい目で事業が審査されることにつながるからです。人口増加を基に高度経済成長が望めない昨今においては、大変重要なことだと思います。そして、活性化事業の実施前に、その継続性を評価する銀行の審査を受けることによって、事業に介在している無駄は省かれ、筋肉質な事業に変貌を遂げることができるのです。

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