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PPP/PFIと公的不動産のいま

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最終回

第14回 公的不動産における収益確保に挑む(2)証券化手法

自治体レベルでの「公的不動産REIT」に期待

解説:福島 隆則=三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部主席研究員、構成:坂井 敦=フリーランス【2017.12.22】

収益確保が課題となる公的不動産(PRE:Public Real Estate)では、証券化手法など投資資金を積極的に活用したスキームの事例がほとんどない。特に本庁舎の整備案件では、愛知県高浜市のように、所有ではなく賃借を選択すること自体がまれである。その点、政府系機関が賃借する施設に特化した上場REITまで存在する米国とは対照的だ。日本のPREについても、今後はREITなど証券化手法を使った投資資金の活用が期待される。

 老朽化した公的不動産(PRE)の建て替え案件では、収益力のある民間施設との合築・併設スキームもよく用いられる。京都市中京区の京都御池中学校は、中学校を中心に、デイサービスセンターや保育所、オフィスなどが入る複合施設として整備された(図表1)。

図表1:京都御池中学校の建物立面図
(資料:京都市教育委員会資料)
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 BTO方式*のサービス購入型PFI事業で、維持管理運営期間は15年。総事業費は63.2億円(事業者提案ベース)で、VFM(Value For Money)は29.8%となっている。三菱UFJリースを代表企業とするコンソーシアムが、事業者として選定された。前回述べた通り、PREに占める学校の割合はほかの自治体でも高いため、参考にしやすい事例と言えるだろう。

* BTO方式:Build Transfer and Operate。民間が建設して、完成後に自治体が取得。その後、民間が運営する方式

 前回のコラムで解説した定期借地権の活用や、民間施設の合築・併設など、PREにおける官民連携にはいくつかの一般的なスキームがある。しかし、残念ながら我が国には、投資資金を積極的に活用したスキームの事例がほとんどない。背景には、PREに限らず多くの官民連携事業で、SPCの株式に譲渡制限が課せられるという一種の慣例上の問題がある。しかしそれ以上に、「PREは公共が所有すべき」という固定観念が、投資資金の活用を阻む壁になっていると言えるだろう。

 とはいえ、今後PREの老朽化が進み、維持管理・更新費が財政を圧迫することが明らかな状況で、本当に公共がPREを所有し続けなければならないのか。賃借ではいけないのか。常識を見直すつもりで、もう一度考えてみる必要もあるのではないだろうか。

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