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PPP/PFIと公的不動産のいま

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第12回 「混合型」「複合化」が鍵に/文教施設へのコンセッション導入(後編)

解説:福島 隆則=三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部主席研究員、構成:坂井 敦=フリーランス【2017.10.18】

「公設公営へのこだわり」が流動化を阻害?

 この連載ではこれまで、公共インフラを民間が運営することの重要性とともに、投資資金の活用、すなわち資本市場を活用することの重要性を繰り返し主張してきた。民間の運営ノウハウと投資資金。この両方を活用することが、官民連携の本質と考えるためだ。当然このことは、文教施設についてもいえる。民間による運営とともに、SPCの株式を流動化して投資家が投資できる仕組みを確立すべきだ。例えばアリーナであれば、全国のBリーグ(2016年から始まった日本のプロバスケットボールリーグ)のホームアリーナに投資する「Bリーグ・ホームアリーナファンド」があってもいいだろう。

 そんなことを考えていたら、中国に先を越されてしまった。2016年11月、中国の光大証券(Everbright Securities)がZhejiang Kunlun Holdings Groupと共同で、スポーツ施設などのPPPプロジェクトに投資するファンドを立ち上げると発表したのだ。ファンド規模は100億元(約1,600億円)に達するという。

 中国では、2022年に北京冬季オリンピックや杭州アジア競技大会が開催されるなど、スポーツ施設の整備ニーズが高まっている。そのファンディング・ギャップを埋める役割が、このファンドには期待されているらしい。

 しかしそれならば、日本でも2020年に東京五輪が、2026年にアジア競技大会が開催される。資本主義国である日本にこそ、こうしたファンドを世界に先駆けて作るチャンスがあったのではないだろうか。有明アリーナにコンセッション導入が検討されているが、単発で終わるのではもったいない。

 こうしたスポーツ施設を含む文教施設の民間運営やSPC株式の流動化が日本では起こりにくい背景に、「公設公営へのこだわり」があるのではないだろうか。“こだわり”というより、盲目的にそうあるべきと思い込んでいるだけかもしれないが・・・。

新国立競技場工事中の風景(写真:日経BP総研)

 海外のオリンピックスタジアムを見ると、オリンピック開催後はプロスポーツチームのホームスタジアムになるなど、民間運営に変わることが少なくない。“国立”競技場であっても“国営”競技場である必要はないのだ。

 文教施設の建替えや整備を官民が連携してスムーズに進めていくには、公設公営にこだわり過ぎず、さらにはSPC株式の流動化も含めて考える発想が必要ではないだろうか。

企画・運営
  • 日経BP総研


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