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PPP/PFIと公的不動産のいま

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第11回 先鞭つけた女性教育会館/文教施設へのコンセッション導入(前編)

解説:福島 隆則=三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部主席研究員、構成:坂井 敦=フリーランス【2017.10.10】

国立女性教育会館の混合型コンセッション事業

 時期が早かったせいか、取組済みとしてカウントされていないようだが、実は文教施設には、コンセッション方式を活用して既に民営化されているものがある。埼玉県嵐山町にある国立女性教育会館だ。

 国立女性教育会館は、女性のための社会教育施設として1977年にオープンした。約10万㎡の敷地には、宿泊棟3棟、研修棟、実技研修棟、テニスコート、体育館、茶室などの施設があり、総延べ床面積は約2万7000㎡に及ぶ。

 2015年7月にコンセッション方式を活用して民営化されるまで、施設の所有・運営は、文部科学省所管の機関である独立行政法人 国立女性教育会館(National Women’s Education Center、通称NWEC(ヌエック))が行ってきた。民営化の目的は、施設の有効活用とサービス水準の向上であった。公募の結果、運営事業者には地元のビル管理会社が選ばれた。運営権設定対価は約4.1億円であった。

 資金調達に関しては、金融機関からの借入はなく、全て運営事業者による出資で賄われている。一方、実際の運営においては、宿泊料など施設の利用料収入のみによる独立採算は難しいとの判断から、施設の維持管理の委託料も加わる「混合型」のスキームとなった。事業期間は10年で、この間の委託料は約6.4億円となっている。また、想定以上の利益となった場合にはNWECにもその一部が分配される、「プロフィット・シェアリング」という仕組みが導入されているのも特徴的である(図表4)。

図表4:国立女性教育会館のコンセッション事業スキーム
(資料:三井住友トラスト基礎研究所作成)

 この事業では、コンセッション導入前の年度と比べ、利用者数が増加するなど、民営化に一定の成果が出ているようだ。同会館は国所管の施設であったが、同じような文教施設を所有・運営する自治体にとっても、コンセッション方式導入の参考になる事例と言えるだろう。

福島 隆則(ふくしま たかのり)
三井住友トラスト基礎研究所 投資調査第1部 主席研究員
福島 隆則(ふくしま たかのり) 1967年生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(MBA)。自治体のPPPアドバイザリー業務や、インフラ投資の調査・コンサルティング業務に従事。内閣府「民間資金等活用事業推進委員会」専門委員。経済産業省「アジア・インフラファイナンス検討会」委員。国土交通省「インフラリート研究会」委員。国土交通省「不動産証券化手法等による公的不動産(PRE)の活用のあり方に関する研究会」委員など。早稲田大学国際不動産研究所招聘研究員。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。著書に『よくわかるインフラ投資ビジネス』(日経BP社、共著)、『投資の科学』(日経BP社、共訳)。
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