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PPP/PFIと公的不動産のいま

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第1回 改めて「PPP/PFI・インフラ」の意味を考える

解説:福島 隆則=三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部上席主任研究員、構成:坂井 敦=フリーランス【2016.5.18】

新連載・PPP/PFIと公的不動産のいま
官民連携手法が多様化する一方、それぞれの事業手法のメリットやリスクについて十分に理解が進んでいるとは言えない。この分野の第一人者である福島隆則・三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部上席主任研究員に、PPP/PFI事業や公的不動産(PRE)に関する最新動向を分かりやすく解説してもらう。

政府の施策の後押しもあって、PPPやPFIという言葉の認知度も高まっている。ただ、こうした言葉の定義があいまいなまま使われていることも多いようだ。連載第1回では、まず官民連携に関わる用語や分類について、ありがちな誤解を解きながら、あらためて整理してみたい。

 官民連携の取り組みが全国各地で進むにつれて、「インフラ(インフラストラクチャ―)」「PPP」「PFI」といった言葉を耳にする機会も増えてきた。しかし、これらの用語はあいまいなままに使われていることも多い。

 例えば、部署や業務の呼称として、「PPP/PFI・インフラ」などと三つの用語を併記して使っていることがある。しかし本来、インフラは「モノ」の呼称であり、PPPやPFIは「施策・アクション」の呼称である。つまり、これらを並べて用いるのはおかしいのだ(実は、今回のコラムのタイトルも不自然だということになる)。

 今回は連載1回目でもあるので、これらの用語の意味や分類をあらためて整理することとしよう。

日本の鉄道は公共と民間が混在

 まずは図表1をご覧いただきたい。これは主なインフラ資産をそれぞれのタイプに応じて分類したものだ。横軸には「経済インフラ」と「社会インフラ」、縦軸には「公共インフラ」と「民間インフラ」を、それぞれ配置している。

図表1 インフラの分類
(資料:三井住友トラスト基礎研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

 横軸の経済インフラ・社会インフラは、世界的にもほぼ共通したインフラの分類だろう。経済インフラとは産業や投資活動などを支える設備や施設のことで、道路や鉄道、空港、港湾、発電施設などがある。社会インフラは日常生活に必要不可欠な設備や施設を指し、学校や図書館、公園などが該当する。

 もっともこの分類においても、意見の分かれる部分もある。例えば、上下水道をどちらに入れるかについては様々な意見があり、この表でも中間的な位置付けとしている。

 縦軸の公共インフラ・民間インフラは、所有・運営主体が公共(国や地方自治体)か民間かによって、各施設を分類したものだ。こちらは一般的な区分ではなく、説明をするうえでの便宜上の分類となる。

 その意味でこの分類はやや“トリッキー”で、クリアに分類することは難しい。コンセッション方式のように、所有は公共セクターだが、運営は民間が担っているインフラもあるからだ。また、興味深いことに、それぞれのインフラの所有・運営が公共になるか、民間になるかは、国によっても特徴があり、世界共通ではない。日本では民営のイメージが強い鉄道も、海外では公営のケースが多い。水道は日本では公営のイメージが強いが、フランスやイギリスなどでは民営が一般化している。

 同じ国の同じインフラでも、公共インフラと民間インフラが混在するケースもみられる。日本の鉄道は前述したように民間インフラが多いが、市営や都営の地下鉄のような公共インフラも存在する。

「JRのコンセッション」はありえない

 ここまでがモノの呼称であるインフラの話となる。次に施策・アクションの呼称である「PPP」や「PFI」について詳しく見ていきたい。PPPは「Public-Private Partnership」の略で、日本語では「官民連携」や「公民連携」などと表現されている。PFIは「Private Finance Initiative」の略。民間の資金やノウハウを活用して公共インフラを整備する手法のことだ。

 注意していただきたいのは、PPPもPFIも“公共インフラ”に対する施策・アクションということ。(特に民間側に)この点を誤解している人が意外と多い。「民間の再生エネルギー設備にコンセッション方式を導入して……」などという話を耳にしたことがあるがこれは大きな間違いとなる。PPP/PFIの対象はあくまで公共インフラなのであり、民間インフラはPPPとは無関係。例えば、市営地下鉄にコンセッション方式は導入できても、民間のJRや私鉄には導入できないのである。

 ところで、民間インフラ資産を別の民間企業が取得するようなケースは、公共インフラを対象とした場合に比べて、はるかにハードルが低いと考えられる。公共インフラは議会の決議が必要だったり、法制度に拘束されたりすることが多いが、民間の取引はあくまで民間同士の自由な契約だ。

 このため、民間インフラ施設を対象にした取引がもっと活発になってもおかしくないはずだ。日本のインフラ投資市場はまだまだ規模が小さい。インフラの所有者が施設を抱えたままで、太陽光発電などのセカンダリー市場(流通市場)もあまり発達していないのが現状だ。民間インフラの取引がもっと増えれば、インフラ市場自体が活発化し、ひいては公共インフラを取引する流れにもつながってくることが期待される。

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