• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

PPP/PFIと公的不動産のいま

記事一覧

第7回 愛知が最初で最後?――日本の道路コンセッションの課題

解説:福島 隆則=三井住友トラスト基礎研究所投資調査第1部主席研究員、構成:坂井 敦=フリーランス【2017.3.6】

愛知県道路公社の有料道路において、道路セクターで日本初のコンセッション方式を活用した民営化が実現した。とはいえ、道路のコンセッションには「これで終了」という雰囲気も漂い、次々に案件が生まれる空港セクターと比べると、やや盛り上がりに欠ける。今回のコラムでは、こうした日本の道路コンセッションの課題を考えるとともに、海外で主流になっている「アベイラビリティ型」の可能性も探る。

 前回のコラムでは、空港セクターが日本のコンセッションをリードしてきたことを解説した。政府は2016年度までに、19件(空港6件、水道6件、下水道6件、道路1件)のコンセッション事業を達成するという目標を掲げている。2016年10月31日の政策会議*に提出された竹中平蔵氏の資料によると、空港はこの目標を既にクリアしている。

*未来投資会議 構造改革徹底推進会合「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合(PPP/PFI)

 空港とともに、政府目標を達成したもう一つのセクターが「道路」である。といっても、空港の目標6件に対し、道路はもともと1件でしかない。最初の目標設定が極端に少ないので、いまひとつ“達成感”に欠ける。目標をクリアしたことによる“打ち止め感”も漂い、海外では人気の高いセクターだけに、もったいない印象がある。

 ともあれ、この道路セクターで日本初のコンセッション案件となったのは、愛知県道路公社の有料道路8路線の民営化だ。これらの有料道路では、2016年10月から、前田建設工業を中心とした民間企業グループによる運営が既に始まっている(図表1)。

図表1 愛知県道路公社の有料道路の民営化案件
(資料:国土交通省資料、愛知県資料などをもとに三井住友トラスト基礎研究所作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 しかし実は、日本の現在の法制度上、そのままでは、コンセッション方式を活用した有料道路の民営化はできない。「道路整備特別措置法」が、道路を新設または改築して料金を徴収できる者を、都道府県などの道路管理者や、地方道路公社および高速道路株式会社に限定しており、民間事業者による有料道路の運営を認めていないためである。

 また同法は、一定期間内に徴収される通行料収入で道路建設費を償い(償還主義)、その後は無料開放する(無料開放の原則)ことを前提にしており、新設・改築・維持・修繕、その他管理費用を超える利益を通行料に含めることができない。このことも、日本で有料道路を民営化しようとする際の大きな壁となってきた。

 ではなぜ、愛知県道路公社は有料道路を民営化できたのか。それは「特区制度」を利用したからである。逆に言うと今の日本では、「特区制度」を利用しない限り、コンセッション方式による有料道路の民営化はできないのである。

企画・運営
  • 日経BP総研


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

pickup

ページトップへ