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新・公民連携 円卓会議 2016

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地方創生・8つの視点(2) PFI/PPP

官・民のプラットフォーム創出がカギに

井熊 均 氏 日本総合研究所 常務執行役員 創発戦略センター所長

構成:守山 久子=ライター【2017.3.31】

 自分たちで提言した政策や事業を自ら実践し、より説得力を持って世の中に新しいベクトルを与えていこう――。私たちはシンクタンクではあるが、「シンク=考える」だけでなく行動を起こしてきた。これまでには複数のベンチャー企業やNPOを立ち上げ、社員自身がそこに飛び出している。

いくま・ひとし
1983年早稲田大学大学院理工学研究科修了後、同年三菱重工業入社。1990年に日本総合研究所入社の後、産業創発センター所長を経て、2002年より現職。2014年より同社常務執行役員。早稲田大学大学院 非常勤講師、総務省 官民競争入札等監理委員会委員、公益財団法人京都産業21 地域産業育成産学連携推進事業評価委員会委員なども務める。専門分野は事業の計画・提携・運営、産業政策、ベンチャービジネス、環境産業、公共IT政策、地域経営、公共財政、中国・アジア市場など。著書に『自治体のためのPFI実務』(ぎょうせい)、『次世代エネルギーの最終戦略』(東洋経済新報社)、『「自動運転」が拓く巨大市場』(日刊工業新聞社)、『中国環境都市』(日刊工業新聞社・共著)、『IoTが拓く次世代農業-アグリカルチャー4.0の時代-』(日刊工業新聞社・共著)など多数(写真:北山 宏一)

 金融危機に伴う構造改革が迫られた時期には、官民連携のモデルとなるPFI(民間資金等の活用による公共施設等の整備)を、実事業として日本に持ち込んだりもした。

 これまでに、PFIは様々な成果を挙げてきた。ただ最近は、公共団体と民間が契約を結んで事業を行う正規の枠組みだけでは、地域の中でやれることは限られると感じている。むしろ、官と民、あるいは、域外の人など多様な人が参加できるプラットフォームをつくることが、これからの地域活性化に必要ではないかと考えるようになった。この考え方を踏まえ、当センターの事業から3つの取り組みを紹介したい。

エネルギー、地域交通、シニアに着目

 1つは、地域内で自律的にエネルギーを供給するシステムの構築だ。従来型のシステムでは、電力会社に100円支払って電気を入手した場合、地域に落ちるのはそのうちの10円程度だという。では地域内に電力会社をつくり、自分たちで電気を供給するとどうか。ガスなどを用いて発電した場合には100円のうち約40円が地域に落ち、バイオ資源や風力を活用すれば例えば70円に増える。このように自律的なエネルギー供給の仕組みをつくれば地域発展の芽を生み出せる。そう考えて、各地で悪戦苦闘しているところだ。

 2つ目は自動運転だ。まずは新しい技術を使ったコミュニティ支援として実装したいと考えている。高齢化率が40%になっている神戸市郊外のニュータウンで、将来の無人運転化を見据えて定期バスを運行したところ、評判が良かった。地域の活性化に大事なのは人と人が出会うことで、そのためには移動手段の確保が必要になる。高齢化して運転者がいなくなった地域では、特に自動運転の重要性が高まってくる。

 3つ目は「ギャップシニア」を対象とした取り組みだ。ギャップシニアとは、元気な高齢者と要介護の高齢者の間にいて、「やりたいこと」と「できること」のギャップが生じている高齢者のこと。かなりの人数が存在するにもかかわらず、現状では彼らが本当に必要とするサービスを提供し切れていないのが現状だ。

 そこで現在、いくつかの自治体と連携して、公民連携による高齢者のためのプラットフォームの提供に取り組んでいる。高齢者が集まり、自分に合った多様な商品やサービス、情報を得られるようにする場づくりだ。サービスを民間ビジネスとして成立させ、国の負担も抑える仕組みを目指している。(談・2016年12月22日)

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