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新・公民連携 円卓会議 2016

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地方創生・8つの視点(5) 東京

東京の発信力と磁力を地域に生かす

河野雄一郎氏 森ビル 取締役常務執行役員 都市政策企画・秘書・広報担当

構成:守山 久子=ライター【2017.3.31】

 国際都市間競争の時代において、私たち森ビルは、「東京を世界一の都市にする」と日ごろから訴えている。

 同時に、地方の再開発にも参画している。高松市の丸亀商店街では、ホテルや分譲住宅などの都市機能を複合させた高度利用の再開発プロジェクトに取り組んだ。そのほか、岐阜や熊本、広島、長崎などでも市街地の再開発を請け負っている。

こうの・ゆういちろう
1961年鹿児島県出身。1985年3月駒澤大学経済学部卒業後、同年4月森ビル入社。87年から六本木ヒルズ再開発の権利調整、行政協議を担当、98年秘書室長、2006年取締役、2009年常務取締役兼広報室長を経て、13年6月から現職。森ビルの都市づくりの推進のみならず、東京の国際競争力向上に向け、関係省庁、各種機関などへの協議・提案を行っている。一般社団法人再開発コーディネーター協会 理事、一般社団法人不動産協会都市政策委員会委員長、一般社団法人日本プロジェクト産業協議会理事、経済産業省産業構造審議会「2020年未来開拓部会」委員、内閣官房ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議街づくり分科会構成員などを務める。(写真:北山 宏一)

 一方で、都市型の複合開発とは異なった形のまちづくりにも携わってきた。

 曹洞宗の大本山、永平寺(福井県永平寺町)の門前町では、県、町、永平寺の3者が連携して進める再構築プロジェクトの取りまとめを手掛けている。

 ここで考えているのは、永平寺らしさの復活だ。東京での開発で培った技術やノウハウなども活用しながら、地域の持つ「らしさ」という財産をいかに生かすかという視点が欠かせない。

 例えば門前の宿泊施設に永平寺の木材を使ったり、コンクリートで固められた永平寺川の護岸を石積みに替える――。

 地域の特徴が生かし切れていない現在の街並みを、永平寺に調和したたたずまいとしてよみがえらせ、永平寺に来たことを実感できる風景を取り戻していこうと考えている。

集客力のある都市空間を活用

 東京と地方との関わり方には、各地域の文化を東京で発信するという方法もある。

 東京・赤坂のアークヒルズ内にあるカラヤン広場では、毎週土曜日の朝にマルシェを開き、地方からおよそ30のブースが出店し、各地域の野菜や工芸品などを紹介している。年間を通じて40~50地域からの参加を得ており、会場は毎回約3000人の来場者で賑わう。

 2016年11月には、虎ノ門ヒルズ(東京都港区、2014年6月オープン)と新虎通りなどを舞台に「TOKYO SHINTORA MATSURI」を開いた。目玉となった企画は、東北6県の代表的な祭りを集めた東北六魂祭パレードだ。東日本大震災の鎮魂と復興への狼煙(のろし)を上げることを目的に東北で行われてきたパレードを、東京で再現したものだ。

 美術館や博物館、映画館などは目的を持って訪れる場所であるのに対し、公開空地や道路、公園といった外部の公共空間は誰もが訪れる場所だ。通り掛かった人との偶然の出会いを生み出し、屋内ではできないダイナミックなイベントも可能になる。

 東京が持っている発信力と磁力は、恐らく日本の中で群を抜いており、日本のショーケースとしての役割もある。屋外の公開空地や公共空間など、集客力のある都市空間を活用して、全国から集めた素晴らしい文化を国内外へ積極的に発信していきたい。(談・2016年12月22日)

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