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麓幸子の「地方を変える女性に会いに行く!」

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「農家の母さんだからできることがある」その志が年商2億円の事業へと発展

Vol.08 石垣一子さん(陽気な母さんの店代表取締役社長)

聞き手:麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員、取材・文:熊谷渓子=石山デザイン事務所【2017.1.11】

「全員会議」で情報を開示・共有、一人ひとりが力を発揮できる環境をつくる

――立ち上げ後は初年度から売上1億1000万円。いきなり売上目標の1億円を達成しましたが、成功の理由はなんだと思いますか。

石垣 出店までに4年かかり、その間に会員の生産物や生産量、収穫時期を細かく把握しました。そのデータから1日・1人単位で販売計画を緻密に立てたことが大きいと思います。毎月「全員会議」で前月の反省と来月の計画づくりを行うので、その都度どの商品がいつ不足するか会員に情報発信をしました。情報を開示して共有することで、全員に売り上げを出す機会をつくるように努めました。

――03年には学校給食への食材提供も始めました。

石垣 地産地消の一環として、市農林課や教育委員会に提案しました。地元のおいしい食材を届けて、子どもに大館の味で育ってほしかったからです。近年、食生活の中心は「おふくろの味」から「ふくろの味(袋に入った既製品)」に変わりつつあります。大館市内で市外のものを食べていたら、大館の食べ物は廃れてしまいます。ふるさとの味を知らないで育つなんて寂しいですよね。大館には高校生までしか住まない子供も多いですが、大館市を離れてからも大館産の食べ物のファンでいてもらえるようにという想いを込めて食材提供をしています。

――翌04年には仕出し部門を設けました。毎年のように新しい事業を始めています。

石垣 野菜をふんだんに使った、ヘルシーで優しい味の惣菜や弁当が人気です。加工物を製造することで、農産物に付加価値をつけられます。それに、形がいびつだったり、色が多少悪かったりして、店には出せない野菜を無駄なく使うこともできるのです。時には首都圏から講師を呼んだり、モニター会議を行ったり、料理や栄養価の研究をしながら開発を行っています。

 このように多角的に事業を行うメリットは、相乗効果でそれぞれが発展し合うことです。例えば、食堂の新メニューに、夏でもさっぱりと食べられるサラダうどんを開発しようというアイデアがありました。そのために、サラダうどんにかけるドレッシングも開発。四季でどのように使えるか考え、店頭の野菜の試食コーナーに添えると、試食した人がお土産にドレッシングを買ってくれます。1つのアイデアの可能性がどんどん膨らんでいくのです。

――その後も着実に業績を伸ばしましたが、売り上げが1億8000万円で足踏みした時期もありました。それをどのように打開したのでしょうか。

石垣 一番の弱点は、会員が朝一気に出荷するので、午後から商品が少なくなってしまうことでした。「空箱を見にきたわけじゃない」とお客さんに怒られることもありました。そこで、行政からの補助金を活用し、商品の売れ具合を会員にメールで知らせるシステムを導入しました。すると、会員が補充をしやすくなり、せっかく来てくださったお客さんが手ぶらで帰るような機会損失が減りました。このシステムを導入した06年以降は、売り上げが2億円を超えるようになりました。全員会議もそうですが、会員と情報を共有して1人1人が力を発揮できる環境をつくることが鍵だと思います。

石垣さんとスタッフ。「チアフルマザー」たち(写真:大槻純一)
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