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麓幸子の「地方を変える女性に会いに行く!」

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里山保全で地域に愛され、100年続く産廃会社にする

Vol.07 石坂典子さん(石坂産業代表取締役社長)

聞き手:麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員、取材&文=西尾英子【2016.12.1】

里山を生かした環境教育活動も開始、評判は海外にも

――里山を生かした環境教育活動を展開するきっかけは、なんだったのでしょうか。

石坂:2011年に防衛省の講演に行った時に、世界三大環境問題は、地球温暖化、生物多様性、廃棄物処理問題だと聞き、「この3つは私たちがやっていることだ」と思いました。当時、持続可能な開発のための教育(ESD)の必要性が叫ばれていたのですが、3つの環境問題と「環境教育」というキーワードが私の中で合致し、「これは教育活動が展開できるな」とひらめいたんです。同年10月に環境教育等促進法が施行され、私たちが民間企業で初となる認定を取得しました。

――2013年から生徒さんの受け入れを始めていますね。現在、年間どれくらいの人数が訪れるのですか。

石坂:年間1万人を超える人が訪れ、学校関係は2000人くらいです。先生たちの間で口コミが広がり、どんどん増えています。

 もちろん受け入れるにはスタッフも増員しないといけませんから、コストもかかります。ですが、見られることで社員の姿勢も変わってきました。子どもがたくさん来るわけですから安全性への意識もおのずと高まります。来る人、迎える側の両方が育つという意味から、私は教育ならぬ「共育」と呼んでいるのです。

――環境教育を通じて、海外との交流にも取り組まれているそうですね。

石坂:環境教育に特化した活動を進めていくことが、森の新しい付加価値づくりだと考え、海外との交流をしています。イギリスやインドネシア、フィンランドの大使などと自国の取り組みや課題を話しました。環境問題は世界の課題ですから、国を超えて意見交換をしながら行動していきたい。そうした考えから「開かれた研究棟をつくりたい」という思いに至り、所沢市に、現在、申請しているところです。建設予定地が、市街化調整区域のため許可が必要なのです。オープンラボで研究開発した技術が廃棄物のリサイクルにつながっていく。そうしたスタイルが世の中のスタンダードになることで、産廃事業の在り方そのものも、見られ方も変わる。大きなチャレンジでもあります。

(写真:鈴木愛子)
[画像のクリックで拡大表示]

――海外から見学に来る方も多いとか。

石坂:世界16カ国の人が訪れています。海外から見ると、当社の建築廃棄物のリサイクル化率95%というのは、ありえない数字。土地のない日本ではこれまでゴミを焼却してきましたが、海外は埋め立てが主流です。でも、持続可能な社会が求められる中、ゴミを埋め立て続ける世の中でいいのか。そんなメッセージも投げかけています。

 資源循環型の社会を目指すには、世の中にある物質をエネルギーに変えていく技術を私たちが持たないといけません。そのためには、ゴミを出す側に適正料金をいただき、それを開発費用に回す。そして私たちも価格競争に負けない強い会社をつくる。こうしたメッセージを発信していく時に、単なる産廃処理業だとなかなか耳を傾けてもらえないけれど、里山保全活動に取り組むことで興味を持って下さる方が増え、メッセージを受けとめてもらいやすくなるからです。

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