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麓幸子の「地方を変える女性に会いに行く!」

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引きこもりの若者支援をまちづくりにつなげる

Vol.05 菊池まゆみさん(社会福祉法人藤里町社会福祉協議会会長)

聞き手:麓幸子=日経BPヒット総合研究所・執行役員、取材&文:吉田新一【2016.9.12】

間口を広げ、「所属する場所がない人たち」を支援

――引きこもり等支援の実態は著書『ひきこもり町おこしに発つ』『「藤里方式」が止まらない』に詳しく書かれています。地域の支援のニーズを汲み取り、社会資源を活用して支援する、その支援がなければ新たに社会資源を開発する――まさに菊池さんが実践したことはソーシャルワークのお手本ですが、こみっと開設以来、どういう成果が出ていますか。

菊池:数字で紹介するのが分かりやすいでしょう。開設した2010年度時点での調査(戸別訪問)では、113人の方が長期不就労などによる引きこもり状態であることが分かりました。その方々が14年度末になると25人、77%余りも激減していました。こみっとによる直接的・間接的な支援を受け、多くの方が自立できたことを意味します。今、こみっとに残っている人の多くは開設初年度組。すっかり居心地が良くなったと思いますが、私たちにすれば、いたわりすぎたことで自立の機会を妨げてしまったという反省もあります。

(写真:鈴木愛子)
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 一方、社福協がこみっとの支援活動について情報提供するために戸別訪問した人はこの年、166人(実数)いたのですが、内訳を見ると99人が引きこもり歴ゼロでした。こみっとの活動が認知され、就職が決まっていない卒業間近の高校生や、会社が倒産して失業したばかりだという人たちからの問い合わせが増えてきたことによるものです。

 さらに私たちが驚いたのは「不明」にくくっている31人です。どういう方たちかというと、その多くは、仕事はあるけれど、就労の形態が短期間で不安定という層です。引きこもりの人たちへの支援から始まったこみっとが、様々な方たちとつながり、どんどん違う形に発展しているということが分かっていただけるかと思います。

――支援の対象が変わってきたということでしょうか。

菊池:こみっとの支援を求めている人は、所属する場所がない人たちです。私たちも最初は引きこもりかどうかを支援対象の前提として考えていましたが、「あなたは引きこもりさんですか」と聞いても、多くの場合は否定されますし、そもそも引きこもりの定義自体が各自の解釈で大きく違います。そうなると、支援の網から漏れてしまいかねません。所属先のない人への支援ということに間口を広げれば、本当は引きこもっている人も紛れて出てきやすいのではないかということに思い至りました。こみっとの支援事業の正式名を「引きこもり者及び長期不就労者及び在宅障害者等支援事業」としているのも、そうしたこだわりからです。

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  • 日経BP総研


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