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地方で活発化する“人”への投資

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【鳥取県】IoTにも対応、人口最少県のIT人材育成への挑戦

小口 正貴=スプール【2017.2.28】

鳥取県は2013年、「鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト」(CMX)をスタートした。背景には、鳥取三洋電機がパナソニックによって完全子会社化されたことがある。2012年の子会社化以降、事業再編とともに県内の雇用がなくなり、県は大きな打撃を受けた。現在、民間企業と協力しながら、複数のIT人材育成プログラムを推進している。

 日本で最も人口が少ない県として知られる鳥取県。2016年12月1日時点の推計人口は56万9145人である。東京都八王子市よりもやや少ない人口と言えば、その規模が想像できるだろうか。超高齢化が進むと同時に、生産年齢人口が漸次的に減少している。

 そんな鳥取県では、民間企業と協力しながら、複数のIT人材育成プログラムを推進している。まず、産業分野特化型の「鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト」(以下、CMX。現在は第2期のCMX-II)、そのプログラムの一環として進めている「課題解決型高度ICT人材育成事業」、そして、2017年1月にスタートしたIoT(Internet of Things)人材育成プログラム「TORIoT(トリオット)」である。これらの人材育成プログラムを通じて、いま直面している県内でのIT人材不足に対応すると同時に、長期的には鳥取県で働き、家族を持ち、暮らす人を増やしていく。

IoT講座も充実、誘致した先端事業所に対応できる人材を

 以前、鳥取には鳥取三洋電機があり、地元労働者を数多く雇用していた。ところが2012年にパナソニックによって完全子会社化され、以降、事業再編とともに県内の雇用がなくなり、鳥取市は大きな打撃を受けた。こうした状況を受けて鳥取県は2013年、CMXに着手した。

 CMXは、厚生労働省が主導する「地方を中心とした雇用創出事業」の1つに採択された。第1期となる2013年からの3年間では「超モノづくりプロジェクト」を掲げて、地元企業の経営基盤強化と人材育成に取り組んだ。2016年からは、2018年までの3カ年計画で第2期(CMX-II)に入っている。

 CMX-IIは、産業特化型の教育プログラムで、県内に事務所、工場、事業所などを構える事業者を対象に、専門家、プロジェクト型人材などの育成を推進する。対象は医療機器、自動車、航空機の成長3分野か、ICT、IoT分野に関する事業構想を持つ企業で、期間中に正規雇用する企業に対し、新規雇用者1人につき250万円以内の補助対象経費を支給する。これにより、新規事業分野の正規雇用を促そうという考えである。CMX-IIの3カ年の概算経費総額は11億円で、期間中440人の雇用創出と県産業の成長を目指している。

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写真1●CMX-IIによる人材育成の取り組み(鳥取県の資料より)

 成長3分野を選んだのは、歯科医療機器のモリタ製作所(京都)、自動車部品のイナテック(愛知)、航空機部品の今井航空機器工業(岐阜)といった県外の有力企業の誘致に成功したことがきっかけ。これらの新規産業に対応できる人材を育てようと考えて、CMX-IIの内容を練った。

 CMX-IIでは、IoT講座も実施している。今後のモノづくりにはIoTが欠かせないとの考えから、全4回の内容からなるプログラムを設けた。初回に総論を学び、2回目以降は希望する企業にIoT用デバイスを貸し出して、それぞれの工場で実証実験を行う。講師に富士通のIoTエキスパートを迎えるなどして、内容を充実させている。窓口を務める鳥取県商工労働部の和田淳秀氏は「地方ではなかなかIoT講座はないので助かると言われる。先端的な講座を無料で提供できるのもこの事業の魅力だ」と胸を張る。

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