古い慣習やしがらみを打ち破り、業界や社会に大きなインパクトを与える――。「変革を生み出す力」を知るうえで役立つ記事を、日経BPネットの過去の連載からピックアップして紹介するこのコラム。今回は現役女子東大生、松井友里氏による連載「現役東大女子、世界のスタートアップをまるかじり」からインド編を取り上げる。
 世の中を変革するプロダクトやサービスを生み出す力を得る近道は、そうした変革に取り組んでいる企業、特にスタートアップ企業に直接接する機会を持つことだ。米国のシリコンバレーに代表されるように、特にIT系ではそうしたスタートアップ企業が一つの場所に集まる傾向が強い。そうした場所を訪れるだけで、変革力とは何か、変革を起こすにはどうすればいいかを肌で感じられるようになるだろう。
 本記事で、松井氏が向かったのはインド南部の都市バンガロール。インド版シリコンバレーと呼ばれるこの都市には、最先端のIT企業が集積し、スタートアップがひしめいている。果たして松井氏はここでどんなことを見聞きし、衝撃を受けたのだろうか。

記事中で登場する人名や肩書き、数字などはすべて掲載当時の情報です。

 妹と二人で全世界のスタートアップを巡る旅に出た東京大学2年に在学中の松井友里氏は、クラウドファンディングで調達した資金を元手に2015年4月から取材を開始した。
 連載第5回の舞台となるのはインド南部カルナータカ州の州都、バンガロール。インドのシリコンバレーと呼ばれるこの都市は、最先端のIT企業が集積し、スタートアップがひしめいている。
 インド版AmazonのFlipkart、ソフトバンクから資金調達したインド版UberのOlacabsなど、様々なサービスが登場している。そんなインド・バンガロールでのスタートアップ最新事情を松井氏がお届けする。

バンガロールを制するものはインドを制す

 オートリキシャと牛が行き交うバンガロールの街。私たちの訪問先5カ国目は、世界で2番目の人口を誇り、次の中国と呼ばれるような経済的成長を期待されるインドです。そしてバンガロールはインドのシリコンバレーと呼ばれるほどのテクノロジー都市。バンガロールのスタートアップ・エコシステムから私たちは何が学べるでしょうか。

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 まずはバンガロールの街自体の背景から。バンガロールには10年以上前からOracle、Intel、Yahoo、Googleなどの研究開発部門が置かれており、技術系人材が集まっています。そのため、インドを制したスタートアップの多くがバンガロールから生まれています。

 実際、私たちが泊まった「Airbnb」(ホテル代わりに誰かのゲストルームや空いているベッドを予約し短期宿泊できるという有名なサービス)の宿主はOracle勤務、一緒に住んでいる従兄弟もスタートアップ勤務、そのガールフレンドも別のスタートアップ勤務、というふうにとにかくIT関係者が多いのを肌で感じました。

 特にバンガロールはそうですが、インド全体がエンジニアの多い国なのです。なんでもインドの大学には専門を医学か工学系の学部しか選択できない大学が多いのだとか。これでは技術関係者の比率が高いのも不思議がありません。

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