2020年の東京オリンピックまであと約3年。各競技団体の盛り上がりはもちろん、スポーツ周辺のビジネスシーンも活気を帯びてきている。そんななか、ITによってスポーツの楽しみ方を大きく変えようとする企業の取り組みを追った。新たな技術によって競技者やメディア、ファンはどう結びついていくのか。

競技者、メディア、ファンをつなぐ「データ」の価値

 データスタジアムは、各種メディア向けにデータを収集、配信するほか、データを駆使して競技団体や選手のサポートなども行う企業。その取り組みが深化すればするほど、競技者、メディア、ファンは一つにつながることになり、結果としてスポーツ周辺のビジネスは活況を帯びるようになる。データスタジアム新規事業推進部の内藤悠氏はそんなスパイラルについて、こう説明する。

データスタジアム新規事業推進部プロデュサーの内藤悠氏

 「多様なデータ収集、分析が進んでいけば当然、競技の質は高まっていく。競技のレベルが上がればファンの興味も深まり、結果として人気がアップしていく。人気があがればメディア側にもニーズの高まりが影響して、ブロードキャスティングや情報配信の分野でどんどん付加価値サービスが増えていく。この流れの中で弊社のデータが生きてくるわけです。メディアが付加価値サービスをさらに求めるようになれば、弊社が提供するデータも幅が広がっていきますし、競技団体もアスリートを強化していくうえでさらに詳細なデータが必要となる。どの部分が先かは明確ではありませんが、多角的なデータが増えれば増えるほど、その競技周辺は盛り上がっていくと言えますね」

 長年、同社の主な守備範囲は野球、サッカー、ラグビーといった人気競技が中心だった。当然、人気競技には競技力向上やファンサービスのニーズが高かったからだ。しかし20年のオリンピックによって、多様な競技におけるデータの重要性が急速に拡大。データスタジアムが手がける領域も拡大傾向が顕著になってきている。

 「現在、20前後のスポーツカテゴリーとデータ提供において協力させていただいています。陸上、バレーボール、卓球といった分野から、オリンピックとは関係ないですがゲートボールの団体などにもデータ提供させていただいているんです。ゲートボールは日本が発祥のスポーツなのですが、近年、中国の後塵を拝している状態。そこで日本の団体からオファーがあった。そもそもこの競技の強化プロセスにおいて、データ収集、分析のシステム自体がありませんでした。そこで弊社が、将棋でいえば棋譜のようなデータを収集したり、各選手の状況別成功率といった数値を蓄積し、強化につなげよううという試みが始まっているんです。その結果、中国と日本で大きな差を生んでいた部分が分かってきた。このようにメジャーなスポーツだけでなく、言わばマイナーなスポーツにおいてもデータの重要性が高まっているのを私達も感じているんです」

データスタジアムが行った、サッカーにおけるプレーヤーの移動距離、方向などのデータ分析イメージ。戦術立案や練習方法構築などに用いられる
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