外部委託考えるも門前払い、予算があまりにも足りない!

 開発に着手する手前の段階で、前述のようないくつもの困難に直面した清水氏だったが、実はさらにもう一つ大きな問題が待ち構えていた。それは、「実は日本側も開発体制が整っていなかった」という問題だ。

 当初、清水氏は大学院在学中に知り合った仲間たち4人で会社を設立し、SPARX日本版を開発したり、心理ケア関連のサービスを提供したりする計画を進めていた。

 ところが、議論を重ねるうちに、「主にビジネスの観点で、目指す方向性がメンバー間でかなり異なっていることに気付いた」(清水氏)という。

クリックすると拡大した画像が開きます

 結局、話し合いではそうしたギャップを埋め切ることはできず、「SPARXに一番熱意を持って取り組める自分がやればいいと思い、自分だけで進めることに決めました」(清水氏)。チームは解散し、清水氏は一人残ってHIKARI Labを設立した。

 ただ、会社を作るのは一人でできたものの、SPARX日本版の開発作業をたった一人で行うのは不可能だった。そこで清水氏は、外部のソフトウエア会社に開発を委託することを検討。大手を含め、可能性のありそうなソフトウエア会社を片っ端から回ってSPARX移植の相談を持ちかけたという。

 しかし、結果は散々だった。「こういう分野の開発ノウハウがないので…」といった理由を付けて断られるケースが続出。「そもそもゲームとして面白くない」「どうやって利益を上げるつもり?」などと冷たく言われ、門前払いされることも多かったという。

 何とか受けてくれそうなところでも、開発費用として提示される見積もり金額は、清水氏が外資系証券会社勤めでためた資金程度では到底まかなえる額ではなかった。結局、当初リストアップしていたソフトウエア会社で、清水氏が捻出可能な予算で開発を引き受けてくれるところは無かった。

Next「世の中に出し広める意義がある」と採算度外視で引…