科学的に効果が認められた「認知行動療法」をゲームで学べる

 さて、ここまで何度か登場した『認知行動療法』とはいったいどのようなものなのか。日本でも少しずつ認知度が高まっており、どこかで名前を見たことがあるという人もいるかもしれないが、まだ一般にはなじみの薄い言葉だろう。

 認知行動療法とは、「ものの受け取り方や考え方に働きかけて、気持ちを楽にしたり、行動をコントロールしたりする」方法論だ。効果が科学的に実証されている数少ない心理療法で、厚生労働省も2010年に保健適用を認めている。

 うつやうつ状態に苦しむ人が認知行動療法に取り組むには、医師やカウンセラーのセッションを受ける必要がある。だが、残念ながらセッションを提供できる医師やカウンセラーの絶対数がまだ少なく、対応できる医療機関も足りないため、「興味があっても取り組めない人が大勢いる状態」(清水氏)なのだという。

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 その点、アプリであるSPARXなら、誰にも知られることなく、自宅で気軽に認知行動療法を試してみることができる。ゲームを楽しむだけで、ストレスや不安との向き合い方、気分のコントロール方法やコミュニケーションスキルなどを学べるようになっている。

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 日本版SPARXのリリースは2016年5月。ゲームは全7ステージで構成されており、1ステージあたり30分程度かかる。1週間に1、2回の頻度でプレイすることが推奨されている。

 ゲームの流れはこうだ。まず、自身のアバター(分身)を作り、ゲームを開始する。ゲーム内では様々なキャラクターに出会い、出題される問い(質問)を解くことで、冒険が進んでいく。

 ステージをクリアーすると、案内役(ガイド)と一緒に学んだことの振り返りが行われ、日常で活用できるスキルの使い方が説明される。ユーザーは、そうして得たスキルを実生活に適用することで、気分の向上や問題の解決を自ら図れるようになっていく。

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