ここ数年、「ペッパー」や「ロボホン」など、一般向けのロボットが次々と登場している。いずれも人と何らかの双方向コミュニケーションが図れる機能が特徴だ。そうした機能を大胆に切り捨て、「ひたすら一方通行でギャグをつぶやく」ことに特化したロボットが存在する。そのロボットの名は「爆・笑太郎(ばくしょうたろう)」――。

 開発したのは、1980年代半ばから様々なロボット玩具を世に送り出してきたタカラトミー(当時トミー)。なぜ、この分野のパイオニアとも言うべき同社がこんな不思議なロボットを発売したのか。開発を手掛けたニュートイ企画部企画開発課主任の多田翔平氏に話を聞いた。

 「時計の言うことはほっトケイ!」「ロボットが苦手な調味料は…、コショウ」………。

 多くの人にとって、人前で発声するには相当な度胸が要るであろうこうした“親父ギャグ”を含むギャグやダジャレの類を1300種類も搭載し、ウケようがスベろうが気にせず一方的に披露し続けるという恐るべきロボット。それが「爆・笑太郎」だ。

タカラトミーの家庭向けロボット「爆・笑太郎」。価格は5800円(税別)
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 爆・笑太郎といううネーミングは、「ダジャレロボットをやりたいと皆で話したときに、名前もふざけた昭和っぽいのがいいねと。そのとき『例えば、爆・笑太郎ってどうですかね』『ああ~いいね』で決まっちゃいました(笑)」。爆・笑太郎の開発を手掛けたタカラトミーの多田翔平氏(ニュートイ企画部企画開発課主任)は、こう笑う。

開発を手掛けたタカラトミー ニュートイ企画部企画開発課主任の多田翔平氏。放送作家を志望し、お笑いの勉強をしていたことも
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 爆・笑太郎は、ユーザーが頭部にあるボタンを押したり、決まった時間になったりするとギャグをつぶやく。1日1種類のペースで聞いても、すべてのギャグを聞き終えるには実に4年近くかかる計算である。

 「購入いただくお客様に日々楽しんでいただくために、搭載しているギャグの内容については、こちらからなるべく明かさないようにしています」と多田氏は話す。

 開発期間は約8カ月。開発に当たって苦労したことは何かと多田氏に尋ねてみたところ、「搭載するギャグを考えること」という答えが真っ先に返ってきた。ロボット関連の取材において、こんな言葉が取材相手から開口一番飛び出してくるなど、ほかではまず考えられない話だ。

 多田氏によれば、こだわったのは、とにかく数をそろえることだったという。「繰り返し同じギャグが出てきたのでは、すぐに飽きられてしまう」からだ。

 「同僚に協力してもらいつつ、多くは自分でひねり出しました。途中で『自分は一体、何の仕事しているのか』と思ったことも何度もありました。商品のプレゼテーションをするときには、自分で考えたギャグを何度も聞かなければならず、いたたまれない気持ちになりましたね。そのおかげで相当メンタルが強くなり、今では少々滑っても何とも思いません(笑)」(多田氏)

 ちなみに、多田氏渾身の一作は「メザシは故郷を目指した」。2番目は、8月8日、笑いの日向けに作った「笑顔とかけて、お風呂上りと解く。その心は…福来ます」だそう。シンプルなダジャレのほかに、こうした謎かけも収録されている。

Next特定の日に一度限りでしか聞けない貴重なギャグも