2016年4月、東京都武蔵野市の横河電機本社内に「ミニマルファブ」のインキュベーションセンター「横河ミニマルアプリケーションラボ」がオープンした。ミニマルファブとは、直径わずか0.5インチのウエハー上に半導体デバイスを作製する半導体製造装置群のことだ。

 今、このミニマルファブに国内外から熱い視線が注がれている。ミニマルファブの何が革新的なのか。そして世の中をどのように変えていく可能性をもっているのか――。そこで今回、ミニマルファブの研究開発を主導した産業技術総合研究所の原史朗氏に話を伺った。

半導体の製造プロセスに応じて装置を組み合わせ

 「今やあらゆる製品の需要が世界規模で飽和してきている時代です。今後、企業が生き残っていくためには、“究極の少量多品種化”でお客様のニーズにダイレクトに応えて、製品をご要望通りに製造することが重要です。そのための切り札となるのが、2016年4月に実用化を開始した『ミニマルファブ』です」

産業技術総合研究所ナノエレクトニクス部門ミニマルシステムグループ長の原史朗氏。ミニマルファブというコンセプトを打ち出し、研究開発を主導してきた
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 こう語るのは、産業技術総合研究所(以下、産総研)ナノエレクトニクス部門ミニマルシステムグループ長の原史朗氏だ。

 ミニマルファブとは、直径わずか0.5インチ(12.5mm)のシリコンウエハー上に半導体デバイスを作製する半導体製造装置群のこと。最先端のシリコンウエハーが直径12インチ(300mm)であることを考えると、いかに小さいかがわかるだろう。

 “装置群”と言っている理由は、「フォトレジスト」や「成膜」「エッチング」といったように、半導体の製造プロセスごとに各装置が細かく分かれているからだ。機種は全部で71種類で、装置を導入する企業は、自分が欲しい製造プロセスの装置だけを自由に組み合わせて購入することができる。この柔軟性もミニマルファブのウリの1つだ。

ミニマルファブに使われる0.5インチのシリコンウエハー
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半導体製造装置は製造プロセスごとに細かく分かれている
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装置を横に並べてウエハーの自動搬送装置でつなげば、製造ラインを構築できる
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