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常識を越えろ! 変革者たちの挑戦ビジネス

究極の少量多品種化を実現! 半導体業界を揺るがす「ミニマルファブ」(5/6ページ)

2016.05.18

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クリーンルームを不要とする技術開発が出発点

 そもそも原氏がミニマルファブの研究開発を始めたきっかけは、1990年代から取り組んでいた「局所クリーン化」にあった。これは、ウエハーを特殊な入れ物に入れることで、ウエハーを塵埃から守ろうというものだ。

 既述の通り、半導体製造工場の設置や運用に巨額の費用がかかる最大の要因がクリーンルームだ。それに対し、原氏は「なぜ工場の部屋全体をクリーンにしなければならないのか。クリーンに保たなければならないのはウエハーだけであり、ウエハーさえクリーンに保てればクリーンルームは不要ではないか」と考えた。

 そこで、1998年に原氏が研究開発に着手したのが、局所クリーン化技術だった。そして、3年以上にわたる試行錯誤の末に完成させたのが、現在、ミニマルファブで採用されている「ミニマルシャトル」である。

0.5インチウエハーを格納し塵埃から守ることができる「ミニマルシャトル」。これによりクリーンルームが不要に
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直径0.5インチと非常に小さいため、切断せずにそのまま基盤に搭載して使うことも可能
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 このミニマルシャトルの中に0.5インチウエハーを格納することで、ウエハーを塵埃から守ることができるため、クリーンルームが不要となった。透明なオレンジ色をしているのは、紫外線をカットしつつ外から中身が見えるようにするためだ。

 原氏がミニマルシャトルの開発に没頭していた1998年当時、世界では、ウエハーの大口径化と、微細化による半導体の高集積化が進められていた。そうした中、日本の半導体メーカーは大量生産による低価格で攻めてくる海外メーカーを前に、徐々にシェアを奪われ苦境に陥っていった。

 大口径のウエハーでは装置自体が大きくなってしまい、工場の設備も大きくせざるを得えずコスト負担が重い。それに対し、ミニマルシャトルを使ったクリーンルームレスの半導体製造工場を実現すれば、工場設置の初期費用が少なくて済むため、疲弊している日本の半導体メーカーを救えるのではないかと原氏は考えた。そこで、実際に少量多品種の市場ニーズがどれくらいあるのかを調査していった。

 その結果、少量多品種のニーズが予想以上に多いことが判明。2010年1月、産総研にコンソーシアム「ファブシステム研究会」を設立し、ミニマルファブ開発プロジェクトを立ち上げた。

 同研究会には、当時、産総研に加え、31団体が加盟。現在は138団体にまで増えている。参画している団体は、半導体関連企業や大学など。企業の規模も、最大手から中堅・中小企業まで幅広い。

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