少量多品種はもはやメジャーな市場

 原氏は市場の飽和と少量多品種の関係について、自動車産業を例に挙げて次のように説明する。

 「自動車市場は1930年頃に一度、米国で飽和しました。それまで売り上げ1位を誇っていたフォードは同じ車種、同じ色の自動車を量産し販売していましたが、需要が飽和して売れなくなったのです。それに対し、2位のゼネラルモーターズが行ったのが、少量多品種化でした。それにより、フォードとゼネラルモーターズの順位は入れ替わりました。以来、飽和した市場における少量多品種化は常套手段となっているのです」

 今や自動車だけでなく、家電製品やモバイル端末、PCなど半導体デバイスを搭載したあらゆる製品が世界規模で飽和し始めている。そのため、少量多品種化が進んでおり、その一環として、ライフサイクルの短縮も加速している。

 また、「在庫を持つことは悪である」という時代にあって、工場ではジャストインタイムでの製造を追求。そのため、家電メーカーなどが半導体メーカーに対して1回に発注する個数が減ってきている。

 一方で、研究開発中の試作機や医療機器、航空・宇宙分野で使われる機器に搭載される半導体デバイスの場合、元々必要な個数はごく限られる。

 「少量多品種というと、まだまだニッチな市場だと思われがちですが、もはやメジャーな市場です。製品の多くに半導体デバイスが搭載されている今の時代、製品の少量多品種に対応することは半導体業界が少量多品種に対応することでもあるのです」と原氏は語る。

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