1956年の堀川製作所設立以降、眼鏡フレームの製造や小売店への直接販売、海外展開など、業界の前例や慣習に捉われることなく、様々なチャレンジを続けて来たシャルマン。業界のパイオニアとして世界100カ国以上で眼鏡フレームを販売し、多くの眼鏡関連企業がひしめく鯖江市でも一際大きな存在となった今も、その挑戦は絶え間なく続いている。
 2009年には、新素材の「エクセレンスチタン」を使用した革新的な眼鏡フレーム「LineArt CHARMANT」を開発。さらに、2012年からは異業種である医療器具の製造・販売にも乗り出した。
 後編では「LineArt CHARMANT」開発の舞台裏や異業種へ参入した背景、今後の展望や新たな挑戦について紹介していく。

(取材・文=藤原達矢<アバンギャルド>、取材写真=山岸政仁)

■「世界の眼鏡フレームメーカーへ飛躍した “鯖江の部品メーカー”の挑戦~シャルマン(前編)」


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格安眼鏡フレームや中国メーカーの台頭

 海外展開が本格化し、国内でも確固たる地位を築いていたシャルマン。だが、21世紀に入ると、国内の眼鏡市場には新たな波が押し寄せていた。格安製品を中心に取り扱う国内量販店や、中国メーカーの台頭だ。

 その筆頭が、2001年に登場した新業態眼鏡量販店で、レンズ込みの値段が5000円、7000円、9000円台という3プライス展開で、当時、数万円が当たり前だった眼鏡業界に価格破壊を起こした。さらに、2006年には遠近両用眼鏡を1万8000円台で販売する店舗も登場、同時期に中国メーカーも参入し、国内の単価は一気に下がっていった。

 シャルマンの岩堀一夫専務は「2001年や2006年を機に、競争環境が劇的に変わりました。それまでは平均単価3万円を超える製品が主流でしたが、一気に2万円を割り込んで、さらに下がっていきました。中国メーカーの台頭もまさにパンドラの箱が開いたという感じでした」と当時を振り返る。

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