2017年2月27日、米宇宙開発ベンチャーのスペースXが、民間人2人を乗せて月を周回旅行する有人宇宙船「ドラゴン」を2018年後半に打ち上げると発表した。また2016年12月にはIHIエアロスペースの固体ロケット「イプシロン」2号機が打ち上げ試験に成功し、先日、女優・米倉涼子らが所属する大手芸能事務所・オスカープロモーションが、芸能界初となる「宇宙戦略プロジェクト 宇宙事業開発本部」を発足することを発表し話題を集めた。国内外のベンチャー企業を中心に、宇宙産業は盛り上がりを見せている。
 そんな“宇宙”をより身近にする活動を続けているのが、宇宙飛行士の山崎直子さんだ。山崎さんは1999年2月に国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者に選定され、2010年4月にスペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗した経験を持つ。現在は、内閣府宇宙政策委員会委員、日本宇宙少年団(YAC)アドバイザーなどを務めながら、教育の現場からビジネスシーンまで、宇宙についての様々な講演に登壇している。山崎さんにとっての宇宙とは何か。宇宙飛行士への道のりを振り返りながらお話ししていただいた。

(インタビュー・文=山田真弓 インタビュー写真=厚地 健太郎)

スペースシャトル「ディスカバリー」宇宙飛行士、搭乗前写真 (C)NASA
クリックすると拡大した画像が開きます

大人になれば、誰もが宇宙に行くと思っていた

――宇宙には子どものころからご興味があったそうですが、初めて宇宙飛行士を目指すようになったきっかけを教えてください。

 子どものころから『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などのアニメが大好きで、「いつか宇宙に行けたらいいな」という思いを抱いていました。ただそれは自分が宇宙飛行士になってというよりは、自分が大人になるころには誰もがみんな、宇宙に行けるような時代になっているのかなという素朴な思いからでした。

 とはいえアニメの世界はやはり現実の話ではありません。それが実現できるものとして意識するようになったのは、1985年に毛利衛さん、向井千秋さん、土井隆雄さんの3氏が宇宙飛行士に選ばれてニュースになり、そしてその翌年、1986年にスペースシャトル「チャレンジャー」の事故をテレビで見たことがきっかけでした。中学3年生のころです。

Nextチャレンジャーの事故がきっかけで宇宙への思いが現…