ファン層の拡大のみならず、競技力向上にも一役買いそうなトラッキング技術。圧倒的なコストメリットを武器に、「Qoncept 4D Tracker」は今後、幅広い分野で活用されていくかもしれない。これまで見えなかった数値を顕在化する画期的な技術。これにより社会はどう変化していくのだろうか。
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コスト面で大きなアドバンテージを有する「Qoncept 4D Tracker」

 TVやウェブ中継の充実、選手のコンディションチェックなど、画像認識システム「Qoncept 4D Tracker」は、これからますますスポーツ界へ貢献していくことが見込まれる。近未来、こうした技術は、戦術の進化や競技力向上にも重要な役割を果たすと考えられているのだ。データスタジアムの内藤悠氏はこのように将来を予見する。

データスタジアム新規事業推進部プロデュサーの内藤悠氏

 「一流のフィギュアスケート選手や体操選手でも、難しい技を失敗することがあるでしょう。練習ではできていたのに失敗するということは、どこかに原因がきっとある。現在でも、演技のしばらく後になればこうした分析は可能ですが、高度なトラッキング技術を使えばその状況は一変するかもしれません。たとえばフィギュア競技において、一連の演技のトラッキングデータを蓄積していくことで、演技の成功と失敗を分ける今まで見えてこなかったような細かい数値の変化を特定できる可能性さえあります。リアルタイムでデータを収集し、直後に正確な分析を行うということは、試合中、競技中に選手が動きを微調整できるということにもつながっていくでしょう。常に正確なデータを蓄積し、機械学習によって最適な解を導き出す。理論上はこうしたデータを採用した方が競技力は向上するはずです」

 そもそもこのトラッキング技術は大掛かりな装置やマンパワーを必要としない。つまり、コスト的に余裕のないチーム、競技団体でもこの技術を利用しやすく、前述のコメントは極めて現実的だ。

 「たとえば米国のMLBやヨーロッパ・チャンピオンズリーグなどではメディアの数、ファンの数も多く、スタート地点の予算が大きい。それゆえ、トラッキングにしても高額なハイスピードカメラを大量に導入して、放送などに利用しているのが現状。そのようなシステムとはコスト面で大きく異るのが“Qoncept 4D Tracker”です。今までは大人数でデータ収集しなければならなかったのに、極端な話、カメラ2台置いておけばデータは蓄積されていく。つまりこの技術によって、トラッキングを様々な分野に利用できる可能性が飛躍的に高まったとも言えるでしょう」

昨年10月のデジタルコンテンツEXPO2016で発表された「Qoncept 4D Tracker」。リアルタイムトラッキングによって卓球のボールスピード、軌道を瞬時に表示するシステムが披露された
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Next活用範囲は無限大、大いなる可能性を持つトラッキン…