はじめにアイデアありき――。デジタルテクノロジーを生かして新事業の開発や業務改革を進めるためには、当然ながら何らかの案が必要です。発案の方法としてブレインストーミングがよく使われますが、堂々巡りに終わることも少なくありません。どうすればうまくアイデアを出せるのでしょうか。
 第1回「変革とかグローバルとか社長が騒ぐので困っています」と同様に、製造業に勤める「先輩」と、サービス業に勤める「後輩」の対話を通じ、デジタルビジネスの進め方を考えていきます。

後輩 本年もよろしくお願いします。新年会に誘っていただき、ありがとうございます。年末のOB会でおっしゃっていた新規事業の件、その後いかがですか。

先輩 今年もよろしくな。大学のOB会の後、二次会で話を聞いてもらい、気が楽になって年を越せたよ。あのとき、うちの会社が何をしたら面白いのか、新規事業推進室のメンバーで改めてブレストしてみると言っただろう。仕事始めに早速やってみた。

(写真:kou / PIXTA)
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後輩 早いですね。どうでしたか。

先輩 盛り上がったが成功だったとは言えないな。ただ、みんな渋々参加したが結構発言してくれた。「今までで一番楽しいブレストでした」と言っていた若手もいたな。

後輩 良かったじゃないですか。ああ、でも社員の誰よりも前向きな社長に受けそうなアイデアは出なかったということですか。昨年の話ですと、デジタルとグローバルをキーワードにすべてを変える大胆な案を出せ、というお題なのですよね。

先輩 その通り。デジタルで何ができるか考えてみようとブレストを何回かやってみたが、まったく盛り上がらない。デジタルというお題が腹に落ちていないからだな。昨年君にそう話したら、「変えたい」という気持ちが出てくる何かをまず探せ、と言われた。

 そこで年初に「新規事業のことはいったん忘れてくれ。これをしたら面白い、こんなことをやってみたい、という自分の思いをそれぞれ言ってみよう」と伝えてからブレストをやってみた。

Next出てきた案は「現場の改善」