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地方で働く

越前市と市内企業が連携、「これからの働き方」を考える(2/3)

越前市地方創生 市民・企業向けセミナー「モノづくりのまちの新しい働き方」

越前市のモノづくりを牽引する5企業

 「越前市で働く」をテーマとしたパネルディスカッションには、パネラーとして、アイシン・エィ・ダブリュ工業取締役の加藤敦氏、井上リボン工業代表取締役の井上博之氏、TOP代表取締役の山本惠一氏、福井村田製作所管理部人事課シニアマネージャーの藤田将一氏、ふじや食品常務取締役の西野信夫氏が登壇した。

 アイシン・エィ・ダブリュ工業は、自動車のオートマチックトランスミッションの主要部品であるトルクコンバータやクラッチの開発、製造、販売を行っている。大きな部品ながら高級腕時計と同じような精度で動く精密機械で、高い技術力が必要とされる製品だ。

 同社は、1983年に設立され、2015年3月に新工場が竣工した現在、従業員数約3500人だ。資本金20億5775万円、売上高1145億円、営業利益61.4億円で、2013年時点で、福井県の製造品出荷額の約6%弱、越前市の製造品出荷額の約20%を担う。

 同社の強みに関して加藤氏は、人材育成への注力を挙げる。従業員あたりに占める技能士の人数比率はトヨタグループでもトップレベルを誇り、品質管理活動を行う全日本選抜QCサークル大会での金賞受賞、文部科学大臣賞受賞者を多数輩出するなど高い評価を受けている。さらに、技能五輪にも積極的に参加するなど、常に技能の向上に努めている。

アイシン・エィ・ダブリュ工業の加藤敦取締役
アイシン・エィ・ダブリュ工業の社員の方々と http://www.aw-i.co.jp/

 井上リボン工業は、細幅織物の製造・販売に特化した企業だ。細幅織物とは幅10cmまでの織物で、同社では、ラッピング用のリボンやインナーウエアやスポーツウエアなどの衣類に使われるリボンやラインテープをはじめ、工業資材用テープなどを手掛けている。近年のファストファッションの台頭を背景に、従来のアパレル向けだけではなく、細幅織物を活用する新分野への進出やリボンを使った最終製品の開発も行っている。

 1948年に前身の井上機業所として細幅織物製造を開始し、1963年に井上リボン工業を設立した。資本金4000万円で、従業員は145名(2012年現在)だ。越前市内の工場に加え、中国・大連市、ベトナム・ダナン市など海外にも工場がある。

 社内のコミュニケーションを重視し、一体感を生むために従業員が参加するさまざまな社内イベントを実施している。さらに、リボンをモチーフにした絵本の刊行に協力し、イベント開催や小学校への絵本の寄付など、社会貢献活動も積極的に行う企業だ。

井上リボン工業の井上博之代表取締役
井上リボン工業の工場での作業 http://www.telala.com/

 TOPは、日常生活を支える、自動車やエアコン、冷蔵庫などの家電製品に使われるモーターの生産・販売を行っている。特に、パワーステアリング、ハイブリッドカーの駆動用モーターに力を入れている。また、軽自動車よりもさらに小型、省エネルギーなモビリティの開発も行っている。

 生産量は年間約500万台。武生の地での独自のものづくりにこだわり、プレス機での打ち抜きから、加工、組み立て、出荷までを一貫生産ラインで行っているのが特徴の企業だ。2004年に創業し、資本金1800万円、従業員数は約400名。

 山本氏は、「これからの時代は、技術力を磨いて常に新しい仕事を開拓していかなければいけない。そのための組織づくりとして、外部のアドバイスを受けながら新しい人事制度を導入するなど、若い世代を含めた活気のある職場をつくる試みを積極的に行っている」と話す。

TOPの山本惠一代表取締役
越前モノづくりフェスタで展示されていたTOP のブース http://www.top-corp.jp/

 福井村田製作所は、携帯電話、スマートフォンなどに搭載されている積層セラミックコンデンサをはじめ、セラミックをベースとした電子部品の開発・製造を行っている。

 1951年に創業した同社は、資本金3億円、従業員数3651人(2015年現在)。従業員の男女比率は5:2程度だ。

 同社の特徴のひとつは、「よい電子機器はよい電子部品から生れ、よい電子部品はよい材料から生れる」という企業理念に基づく材料からの一貫生産と生産設備の内作、もうひとつは、海外での売り上げが90%を誇る、グローバル展開だ。

 同社は、ムラタグループの主力商品のマザーファクトリーとして、中国、フィリピン、シンガポールなどの海外の生産拠点への技術支援を行う。社員は、越前市を軸足に、海外への転勤など、グローバルな働き方ができる。

福井村田製作所管理部人事課の藤田将一シニアマネージャー
福井村田製作所の社員の方々と http://www.murata.co.jp/fukuimurata/

 ふじや食品は、チルド加工食品の製造・販売を行っている。1971年設立の同社は、資本金1億円、売上高約94億円、従業員数は約450名だ。

 主力商品は、玉子どうふや茶碗蒸しで、市内の武生工場では、玉子どうふだけでも1日に60万パックを生産している。専門業者が加工した冷蔵液卵などを使用せず、すべて自社工場で割卵することにこだわった商品づくりが特徴だ。

 さらに、共働き世帯の増加など中食の市場規模の拡大に伴い、胡麻どうふ、餃子、ワンタン、グラタンなど、手軽に食べられるさまざまなチルド加工食品を展開。越前市に加え、関東、九州の工場から全国のスーパーマーケット、コンビニに商品を出荷している。

ふじや食品の西野信夫常務取締役
ふじや食品の商品群 http://www.fuziya-food.co.jp/

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採用の現状とUターンの促進

飯田彩=編集者・デザインコミュニケーター

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