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地方で働く

「仕事があるから東京で働く」ことへの違和感

京都移住計画・田村篤史代表に聞く

京都への移住を考えている人たちに向けた情報発信と移住後のコミュニティづくりをサポートする「京都移住計画」。移住サポートの柱として“居・職・住”の3つを掲げ、居=仲間や居場所を作るコミュニティ支援、職=求人情報発信や起業支援、住=住まい探しやDIY提案といった活動を展開するほか、京都府からの委託事業として「京都移住コンシェルジュ事業」にも協力している。こうした京都移住計画の活動に触発される形で、現在では「福岡移住計画」「新潟移住計画」など全国各地に移住支援プロジェクトが誕生。京都移住計画の田村篤史代表も、東京で4年勤めた会社を退職して京都にUターンした経歴の持ち主だ。京都移住計画設立の経緯から発展、若い世代を中心に変わりつつある働き方の意識について聞いた。(聞き手=ワクスタ編集部)

京都移住計画の田村篤史代表(写真:京都移住計画)

――京都移住計画がスタートした経緯を教えてください。

田村:大学卒業後、東京で人材関連の企業に就職したのですが、もともと「5年たったら地元の京都に戻る」と決めていました。当時は会社員をやりながらシェアハウスを運営していて、僕自身もそこで暮らしながら、住人たちと今後のキャリアや生き方について話をしました。そのなかで「いつまで東京で働くの?」と聞いてみたんです。

 シェアハウスには地方出身者が多かったのですが、みんな口をそろえて「東京に一生、住むつもりはない」と言っていて。そこで、僕と同じく京都出身の人たちと「いつか京都に帰ろう。その“いつか”のために今できることをしよう」と、京都に関する情報をみんなで集めるようになったんです。

――どんな情報を集めていたのでしょう。

田村:東京は人・金・モノが集まる、すごく引力が強い都市ですよね。それはやっぱり仕事や情報が集中する場所だからだと思うんです。翻って、京都はどうだろうと考えたとき、当時は「ここに住みたい」と人を引き寄せるような情報がなかなか出てこなかったんですよ。観光情報ばかりで(笑)。でも、当然ですが、京都でも面白い場所があって、面白い人がたくさんいて、面白い働き方ができます。それを示す情報が集まれば、京都に人を引き寄せる引力のひとつになるし、実際に京都に移り住むハードルを下げることができると思ったんです。そもそも、そういう情報が自分のためにも必要でした。

 2011年の5月にフェイスブックで非公開のグループページを作って、そういった情報を共有するようになり、その名称が「京都移住計画」だったんです。翌年の2012年3月には、僕も京都にUターンして、8月に京都移住計画の公式フェイスブックページを公開しました。

人の暮らし声が次の移住者の呼び水

――内々で共有していた情報を外側に向けて発信するようになったわけですね。

田村:内閣府の調査で、20代の人の約7割が田舎暮らしに憧れているというデータがあります。実際に東京に住んでいる頃から、地方に移住したいという気持ちを持っている人は多いという実感がありました。僕は人材関連企業で転職者と企業とをつなぐ転職支援の仕事をしてきたので、地方に移住したいという人と人材を求める地方の企業とをつなげるノウハウがあります。仕事があるから東京に住むというのではなく、選択肢がもっと幅広く自由になればいいと常々考えていたし、優秀な人材が地方に戻ってきて面白いことをやるようになれば、地域経済にとってもいいことですよね。それを京都移住計画でやってみようと思いました。

――具体的にはどんな活動から始められたのでしょう。

田村:当初は京都への移住を考えている人に向けて、求人や住まい、地元のイベントといった京都の暮らしに関わる情報を公開してシェアしていました。そのうちに、実際に京都に移り住んでいる人たちの声を聞きたいと思うようになり、移住者と移住を検討している人たちの交流、情報交換の場として「京都移住茶論(サロン)」をスタートしました。

 「なんで京都に来たのか」「京都でどんなことをしているのか」「どんな課題があるのか」といった移住者の声は何よりの参考になるでしょうし、京都でやりたいことに近付いて満足した日々を送っている人の暮らしが伝われば、それが次の移住者の呼び水になると思ったんです。

実際の京都移住茶論(写真:京都移住計画)

――その京都移住茶論が、京都移住計画の3つの柱である“居・職・住”の“居”(コミュニティづくり)のひとつになっているわけですね。現在ではどのくらいの規模になっているのでしょうか。

田村:月に1回から隔月に1回程度のペースで定期的に行っていて、先日21回目を開催しました。2013年と2015年には東京でも開催しています。だいたい30人前後が参加し、大きい会場を使うときは50人ぐらいが参加することもあります。新たに参加する方とリピーターの方の割合は半々ぐらいでしょうか。すでに茶論の参加者コミュニティは200~300人ぐらいの規模になりました。茶論の場で仕事や住まいについてヒアリングして、僕たちがそれぞれ直接コーディネートすることもあります。そんなに数が多いわけではありませんが、両方ともお手伝いできたときは“居・職・住”を総合的にやってきた意味があったとうれしくなりますね。

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