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特集・地方創生、政府の「総合戦略」を読み解く

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地方創生の武器、「RESAS」(リーサス)を使いこなすコツ(前編)

「地域経済分析システム」活用術――データだけに頼るのでなく現場ヒアリングも重要

早田 豪=まち・ひと・しごと創生本部事務局ビッグデータチーム長代理【2015.6.19】

地方自治体が地方版総合戦略を策定するに当たり、欠かせないツールが2015年4月に公開された地域経済分析システム「RESAS」(リーサス)だ。従来は自治体ごとの縦割りで産業、人口、観光などの施策を検討するのが一般的だったが、RESASを使えば複数の自治体を一つの地域としてとらえ、より効果のある施策を生み出すことも可能になる。RESASを開発した、まち・ひと・しごと創生本部事務局の早田豪ビッグデータチーム長代理が、システムの全体像と活用法を前編・後編に分けて解説する。(編集部)

まち・ひと・しごと創生本部事務局の早田豪ビッグデータチーム長代理(写真:編集部)

 2014年11月の臨時国会で成立した「まち・ひと・しごと創生法」で、すべての都道府県・市区町村は、努力義務として、「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定することが求められている。この「地方版総合戦略」では、例えば「高齢者にやさしいまちにする」といった抽象的・定性的な目標を設定するだけではあまり意味がなく、人口動向や産業構造、企業の取引情報などを客観的なデータで把握し、そのうえで、5年後にこれだけ雇用を増やす、あるいは、これだけの人口社会増をもたらすといった数値に基づく具体的な目標を立て、政策を立案・実行していくことが求められている。

 政策の効果が上がっているか否かを測るために、「地方版総合戦略」の中で「KPI(重要業績評価指標)」を定めることになっている。どれだけ政策が効果を上げているかを検証する際、各自治体がその都度データを探してきて分析するのでは、長続きしないと考えている。とりわけ、各省庁のホームページから関連するデータを網羅的に探すのは困難であり、また、民間のビッグデータを各自治体が購入していては予算がいくらあっても足らず、国全体で見れば恐ろしく「非効率」と言わざるを得ない。このため、官民のビッグデータは国がまとめて購入・整備し、それを分かりやすく「見える化」するツールも国が用意し、自治体や国民の皆様がいつでもウェブ上で見られるようにした。それが、2015年4月21日に供用開始させていただいた地域経済分析システム「RESAS」である。

地域経済分析システムのサイト。Google Chromeでのみ利用可能(資料:まち・ひと・しごと創生本部)
[画像のクリックで拡大表示]

 この中には「産業マップ」「人口マップ」「観光マップ」「自治体比較マップ」の4つのメニューがある。また、このシステムは、守秘義務に関する誓約書を記載いただいた上でIDとパスワードが付与された自治体の方々のみが使える限定された部分と、一般の方々どなたでも見られる部分の2つに分かれている。後者だけでも、相当の事柄を知ることができるので、広く使っていただきたい。既に、SNSの世界では、一般の方々がこのRESASを活用して、自らの市や町の分析を始め、それを公開している(例えばこちら)。ぜひとも、ご参照ありたい。

視点の違う3つの「産業マップ」でサプライチェーンを把握

 まず、最初のメニューが「産業マップ」である。産業マップは、「全産業花火図」「産業別花火図」「企業別花火図」の3つから構成されている。

 システムの特徴の一つとして、「鳥の目、虫の目」と説明させていただいているように、まず、自らの自治体の産業構造の全体像を「全産業花火図」でマクロな視点(鳥の目)で捉えた上で、産業単位でのつながり(取引関係)を「産業別花火図」でセミマクロな視点で把握していただき、さらに、企業単位でのつながり(取引関係)を「企業別花火図」でミクロな視点(虫の目)で把握していただきたい。自らの自治体の産業構造やサプライチェーンを把握するには、自分の自治体の中だけを見ていても把握できない。まずは、日本全体、地域ブロック、都道府県、市町村といった、「鳥の目」から「虫の目」の順番で徐々に「ズームイン」していく手法で、把握していくことが重要である。

 次に、3つの花火図について、それぞれの特徴や使い方についてご説明する。

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