• ビジネス
  • xTECH
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

リポート

記事一覧

森と都市つなぎ地域再興

木の流通・商品開発まで包括する6次産業化に活路

山本 恵久=日経アーキテクチュア【2015.8.17】

※「日経アーキテクチュア」2015年5月25日号より転載

国内の林業再興のために当面の課題となる間伐材利用を進め、第2次、第3次産業と合わせて経営する6次産業化の取り組みが注目を浴びている。分断されていた森と消費者の間を丁寧に結び直すビジネスの現状を探る。

 都心の賃貸住宅やオフィスの内装仕上げに岡山県西粟倉村産の木材商品「ユカハリタイル」の名前をしばしば見かけるようになった。置き式の50cm角のフローリングだ。

 都内の建物におけるユカハリの展開に力を入れる会社の1つが、「場の発明カンパニー」を標榜し、空間デザイン部門も持つツクルバ(東京都渋谷区)だ。製造・販売元である西粟倉・森の学校(年商約2億円)と販売代理面で提携。特にスマートフォンサービスなどの企画・開発を手掛けるベンチャー企業、アカツキ(東京都目黒区)の本社オフィスでは、2013年に約450m2、14年に約500m2と賃貸フロアの拡張に合わせて続けて採用した。

[画像のクリックで拡大表示]

 ツクルバは、集合住宅「CLASKIT(クラスキット)」(第1弾は東京都練馬区)や倉庫をリノベーションしたオフィス「co-ba Re-SOHKO(コーバ・リソーコ)」(同港区)を、入居者自身が内装をカスタマイズできる賃貸物件として企画し、床材のメニューにユカハリを加えた。同種のフローリングがほかにあるなかでユカハリを選んだ理由を、同社の中村真広代表(CCO)は「消費者に森の問題を理解してもらおうという姿勢が強く、分かりやすい言葉で、うまく啓蒙している。共感を生みやすいところが西粟倉・森の学校の活動の秀でているところだ」と話す。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 ツクルバの出身で、やはり積極的にユカハリを採用しているツバメアーキテクツ(東京都新宿区)の山道拓人代表は、こう言う。「置き式なので、拡張や移転の多い成長企業でも別の場所で容易に再利用できる。工事も簡易で、工期短縮、工程の合理化を合わせればトータルコストは下がり得るなど、クライアントにメリットを説明しやすい商品だ」

[画像のクリックで拡大表示]

 西粟倉・森の学校は長手のユカハリフローリングも扱うが、牧大介代表(校長)は「ユカハリタイル抜きに、村の間伐材の利用は進まなかっただろう」と語る。同社は10年10月に自社工場を稼働させ、11年4月に製品販売を開始した。「タイルカーペットのように扱うことができ、セルフビルドで敷ける、という価値をお客さんに提供できたのが功を奏した」と井上達哉代表(社長)は説明する。

 個人に直販するEC(電子商取引)サイトも持ち、ユカハリの小売りについては、大小の扱いを合わせて年間400件程度に上る。うち100件前後がオフィスでの採用。フル生産体制になってからは月間5000枚(年間1万m2)程度を出荷し、設備投資によって、これを倍増させる計画だ。

 この西粟倉村と東京都奥多摩町、岐阜県飛騨市の林業再興に携わり、他の複数の地域での事業にも着手している企業がトビムシ(東京都国分寺市)だ。同社の竹本吉輝代表は、「元は、地域の自立性を担保するにはどうすればよいか、という問題意識で始めた」と語る。

 そのときに森に目を向ける必要がある。「マテリアルとエネルギー、食糧のいずれもがサステナブルでないと地域は自立できない。今は全部、中央の主導で、地方が下請けに回る構造がある。木はマテリアルそのもので、バイオマスを含むエネルギーに転用できる。森の生態系と水が豊かになれば、農業、漁業に好影響を与える。それらを何とかしたいと考えて取り組んでいる」(同)

[画像のクリックで拡大表示]
企画・運営
  • 日経BP総研
健康ソリューション

<新設!>医療、福祉、スポーツ、ウォーキング、食育……「健康」と地域活性化を結び付けた取り組みが活発化しています。


お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

ページトップへ