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庁舎の真上に分譲住宅、借金ゼロで地域再生促す

としまエコミューゼタウン(東京都豊島区)

宮沢 洋=日経アーキテクチュア【2015.8.3】

区が合築案を推す

 建設前の敷地は、南側の約半分が区有地である旧日出小学校と旧南池袋児童館の跡地、北側の約半分が住宅街だった〔図1〕。再開発のきっかけは東側を走る環状5の1号線、いわゆる「明治通りバイパス」が事業化されたこと〔写真1〕。それに伴い04年、バイパスを挟む南池袋2丁目地区5.3ヘクタールが街並み再生地区(東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく)に指定された。敷地は第一種住居地域だが、大きな容積ボーナスが期待できる。

〔図1〕区有地と既存住宅街を一体で再開発
建て替え前の敷地状況と権利変換の模式図。南側の約半分が区有地(旧日出小学校と旧南池袋児童館)で、北側の約半分が住宅街だった。権利変換の詳細は図2参照(資料:日本設計)
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〔写真1〕明治通りバイパスが再開発を後押し
北東方向から見た全景。敷地の東側には明治通りバイパス(環状5の1号線)が整備中。19年度完成を目指す。現在の明治通りは池袋駅東口の目の前を通っている(写真右方向)(写真:浅田 美浩)
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 区がこの地区の再開発に参加して民間の施設と合築すれば、区の費用負担が少なくて済むうえ、周辺の再整備を後押しすることにもなる。区は06年に再開発準備組合に加入した。

 区が取得する庁舎の床面積は2万5573m2。区有地との権利変換(約85億円)だけでは足りない。不足分の約136億円は、旧本庁舎とそれに隣接する公会堂・分庁舎の敷地に定期借地権を設定して民間に貸し付け、その地代で支払う〔図2〕。

〔図2〕区は借金ゼロで床を取得
街並み再生地区に指定された地域内で、地域貢献メニュー(壁面位置の調整や空地など)を取り入れた地区計画をかけることにより、容積率が300%から800%に緩和された(南池袋2丁目A地区地区計画)。総延べ面積9万4681m2のうち、区が取得したのは2万5573m2。区有地との権利変換により、1万741m2分の床を取得。不足する1万4832m2を約136億円で購入した。これは旧本庁舎とそれに隣接する公会堂・分庁舎の敷地の活用地代から支払う(資料:豊島区の資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)
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 議論の過程では、合築案ではなく別棟案もあった。敷地南側に住宅棟を建てて地権者を移した後、北側に庁舎棟を建てる案だ。地権者の多くは別棟案を推したが、区は「庁舎のワンフロアが狭くなって行政サービスの質が低下する」(豊島区施設管理部の小池章一庁舎建設室長)ことや「2棟が近接しすぎて周辺の再整備の範とならない」(同室長)ことから合築を推した。最終的には地上49階を上下で分け合う形となった〔写真2、3〕。

〔写真2〕吹き抜けとつながった執務フロア
庁舎4階。庁舎執務室(3~9階)は吹き抜けとエレベーターコアを囲むロの字平面で、窓口がある部署は基本的に吹き抜け(写真左側)との間に間仕切りのない開放的なつくりとなっている(写真:浅田 美浩)
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〔写真3〕吹き抜けで自然換気を促す
庁舎中央を貫く吹き抜け越しに各階の執務室を見る。「エコヴォイド」と名付けた吹き抜けは、煙突効果により自然換気を促す。シースルーのエレベーターが上下する(写真:浅田 美浩)
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  • 日経BP総研


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