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事例研究

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近隣自治体からFM業務を受託、倉敷市

市の公共施設、修繕予算一元化も

茂木 俊輔=ライター【2016.4.1】

ファシリティマネジメント(FM)業務への独自の取り組みで知られる岡山県倉敷市(関連記事)が2015年12月、第10回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)で奨励賞を受賞した。評価のポイントは、公共施設の修繕予算の一元化や、周辺市町との広域連携などの取り組み。「できるところからやる」をモットーに実績を積み重ねてきた同市のFM業務のいまと、これからを探る。

倉敷市は岡山県南部の高梁川下流に位置する。人口48万3760人・世帯数20万4419(2016年2月末時点)、面積355.63km2。岡山市に次ぎ、県内で2番目に人口の多い自治体だ
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 岡山県倉敷市では、ファシリティマネジメント(FM)において2つの特徴的な取り組みが進行中だ。公共施設の修繕予算の一元化と、周辺市町との広域連携だ。

 2016年度予算案で倉敷市は、道路や上下水道などのインフラを除く公共建築物の修繕費を、初めて総務費として一括計上した。これは、市の中でFM業務を担当する企画財政局公有財産活用室が、その配分・執行を一元的にコントロールするということを意味する。

 ただし、市営住宅や学校・幼稚園は、延べ面積ベースで市の公共施設全体の約6割を占めるが、それぞれの所管課が同業務を担当しており、修繕予算の一元化に含めなかった。「住宅は居住者が存在するという施設特性を持っていたり、学校は市長部局でない教育委員会の所管だったりするためだ」と公有財産活用室の井上昇室長は言う。

修繕費を一括計上して緊急時に対応

 倉敷市では、公共施設に修繕費を振り向ける優先順位を、危険性、違法性、劣化度など、独自に定めた優先度判定基準を用いて定めている。公共施設の実情を踏まえ、建築や設備の視点から適切な判断を下す必要があることから、各技術者を抱える公有財産活用室が予算の配分や執行を担当することになった。

 市の修繕予算は、これまで名目上、その施設を所管する課の予算として扱われてきた。そのため、修繕工事で生じた入札残を緊急修繕の費用に充当するには限界があったという。「入札残が生じても、その残額は『予算費目(款)』を超えてまとめることはできない。そのため、残額だけでは不足する分は、同じ『予算費目(款)』の中での流用によって確保するか、補正予算を組んで確保するか、いずれにしても時間の掛かる方法を取るしかなかった」。井上氏は、その限界をこう説明する。

 そこで2016年度予算案では、公共施設の所管課の予算として扱われてきた修繕費を、公有財産管理室の予算として総務費に一括計上した。市営住宅や学校などを除く公共施設が対象で、計上額は3億円。「こうすれば、修繕工事の入札残を一つにまとめることができるので、緊急修繕の必要が生じた場合、その費用を確保しやすくなる」と井上氏。修繕予算の完全一元化が図れるという。 

 市営住宅や学校・幼稚園もほかの公共施設と同様に取り扱い、一元的なマネジメントができれば、FMの効率はさらに上がりそうだ。井上氏は「長期的にはこれらの施設も含めてすべての公共施設を対象にしていきたい。それには、修繕費の一括計上が認められたときと同じように、公有財産活用室で成果を積み重ねていき、それを評価してもらうほかない」とみる。

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