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事例研究

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小学校の授業で民間プールを利用、佐倉市の公民連携FM

ファシリティの「見せる化」で周囲を説得

赤坂 麻実=ライター【2016.3.25】

千葉県佐倉市でFM(ファシリティマネジメント)を担当する資産管理経営室は、建築、設備、土木の技術者から法律、財産管理の専門家まで、総勢34人という充実した陣容で公共施設の有効活用や維持管理にあたっている。学校のプールを撤廃し、民間のスイミングスクールで水泳の授業を行うなど、公民連携の新しい手法の導入にも積極的だ。同市のFMの取り組みについて取材した。

 学校のプールを撤廃して、水泳の授業を市内のスイミングスクールで行う――。こんなユニークな公民連携の取り組みを実施しているのは、千葉県佐倉市だ。

 学校の教師に加え、スクールのインストラクターも水泳の指導に当たるため、泳力がついたと児童や保護者に好評だという。保護者からは予定が天候に左右されないことや盗撮などの心配がないこと、学校関係者からは安全管理面での教員の負担が軽減されること、水温や水質、衛生管理などの面で安定した環境で授業ができることから、ぞれぞれ満足度も高い。

 スクール側にも、利用客が少ない平日昼の時間帯にサービスを提供できるという利点がある。佐倉市資産管理経営室の増澤文夫室長によれば、「半分くらいは断られるかと思ったが、打診してみたところ市内のスポーツクラブやスイミングスクール全社から前向きな回答が得られた」という。生徒の個別勧誘は禁止だが、授業の評判が良ければスイミングスクールの宣伝にもつながりそうだ。

民間のプールで小学校の授業を実施。施設の維持管理コスト削減だけでなく、プロの指導で泳力がつくと好評だ。学校プールでの授業で実施してきた、洋服を着たまま水に入る着衣泳の体験も従来通り行っている(資料:佐倉市)
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試算では最大13億6000万円のコスト削減

 この事業は、佐倉市のファシリティマネジメント(FM)の一環として、小中学校のプールにかかる維持管理費を抑える目的から発想されたものだ。市内の小中学校34校にあるプールを撤廃すると、従来通りにプールを維持管理し、老朽化すれば造り替える場合に比べて、費用を大幅に削減できる。試算によれば、30年間のライフサイクルコストは現状維持の場合の31億1000万円に対し、17億5000万円となり、13億6000万円(約44%)削減できるという。実際には、市内の事業者で全校分を受け入れることができないため、例えば3校に1校まで減らす、中学校にプールを残して同学区の小学校からはなくすといった、様々な形を検討しているが、それでも数億円のコストを抑えられそうだ。

 実際に2013年度から、まずは市内の小学校1校でプールをなくし、プールを使う授業は民間のスイミングスクールで実施している。今後、ここでの実績を踏まえ、取り組みの拡大を検討していく。

 スイミングスクールと学校との間は、スクールが所有するバスで教師3~4人と児童約100人が移動する。移動時間を考慮して、従来2コマ×5回だった授業を、2.5コマ×4回に変更する必要があったが、市の教育委員会もカリキュラム変更を承認。また、プールを撤廃した学校では、運動場が狭いという課題があったため、プール跡地を新たに小さな運動場(ミニバス2面、フットサル1面)として利用できるようにしたことも好評という。

企画・運営
  • 日経BP総研


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