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キーパーソン登場

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「普通の人が公共を担う」時代に

奥野信宏 学校法人梅村学園理事・中京大学学術顧問に聞く

聞き手:黒田 隆明【2015.8.31】

中京大学学術顧問で内閣府の「共助社会づくり懇談会」座長などを務める奥野信宏氏は、「普通の人」が行政の代替・補完的な活動がないともはや地域は動かない、と今の日本の公共の形について語る。急拡大するソーシャルビジネスの担い手となるNPOなどについては、組織や人材面などの課題を指摘しながらも、その活躍に期待を寄せる。

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(写真:上野英和)

――内閣府の共助社会づくり懇談会 が今年3月にまとめた報告書(※1)でも詳しく紹介されている通り、行政だけでなく市民やNPOが公共サービスを担う機会が増えています。

 私は「普通の人が公共を担う」という言い方をしています。普通の人が公共になる、企業も含めて民間が公共になる、という「共助社会」は、国土形成計画(全国計画)(※2)や、ショナル・レジリエンス(国土強靭化)(※3)においても一つの重要な概念になっています。

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普通の人が担う公共――4つの機能(資料:奥野信宏)

 この「普通の人が公共を担う」ということについて、私は四つの機能に分けています(右表)。まず行政の代替。行政が提供すべき機能をNPOや地域住民らが担うということです。

 例えば、道路や公園、河川の維持管理です。最近は地域住民や企業のボランティアが、幅の広い道路の側道に花を植えたりしています。以前だったら、公の施設の私的占有ということで撤去させられていましたが、今はそれができるようになっています。また、平成の大合併で役場が支所になって機能が縮小したような地域では、役場や農協のOBの方々が地域の企画立案機能を担って活動したりしています。

 二つ目の行政機能の補完というのは、行政が提供すべきとまでは言えないけれども、公共的価値が高い取り組みです。地域での教育、高齢者の見守りとか、街並みの保存などです。

 こうした行政の代替・補完的な活動がないと、もう地域は動かなくなっています。そして、これらの活動は、主にボランティアや行政の支援で行われています。

 これに対して、最近、三つ目に挙げた財政的に自立して社会的課題を解決するNPOも目立ってきています。ソーシャルビジネスやエリアマネジメント、まちづくりなどの分野が多いですね。

 それからもう一つは、多様な主体の活動を支援する中間支援機能。最近、東京だけでなく地方都市でも急速に成長しています。

※1 共助社会づくり懇談会「共助社会づくりの推進について」(2015年3月)。共助の担い手の取り組みと課題、目指すべき共助社会の具体的な姿と実現への道筋について、事例を交えながら分かりやすく分類・整理している。
※2 国土交通省「国土形成計画(全国計画)」(2015年8月14日閣議決定)。各所で共助社会づくりの重要性に触れながら、第2部第9章では「多様な主体による共助社会づくりの実現に向けた基本的な施策」として一章を充てている。
※3 ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会「地域活性化と連携した国土強靱化の取組について」(2015年3月)において、「地域コミュニティの強靱化と地域活性化のノウハウを有するNPO・NGOなどが行うソーシャルビジネスなど新たな担い手を育成する取組を支援するとともに、民間企業と地方公共団体が連携した取組を効率的に進めていくための地域の人材育成など、『常時の楽しみが非常時の力になる』という概念に基づく共助社会づくりを目指した取組が必要である」と言及。
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