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自治体を核とした分散型エネルギーの近未来

金谷年展 東京工業大学ソリューション研究機構特任教授に聞く

聞き手:黒田 隆明【2015.6.25】

電気料金(約18兆円)のうち、1割でも地域のエネルギー産業に回れば――。産業育成面はもちろん、地域のレジリエンスを高める意味でも、電力小売り自由化後の分散型エネルギー事業への期待は大きい。この分野に詳しい金谷氏に電力小売り自由化後の展望を聞いた。

ウェット系バイオマスや地中熱をもっと活用すべき、と語る金谷氏(写真:北山宏一)

――総務省の「分散型エネルギーインフラプロジェクト」をはじめ、電力小売りの全面自由化に向けて地域の取り組みが進みつつあります。大手と競争することになる地域エネルギー会社に勝ち目はあるのでしょうか。

 地方自治体が参加することで競争力が高まる可能性が出てくるものとしては、一つにはバイオマスがあります。森林の未利用木材、下水汚泥、生ごみなど、廃棄物が新しい“玉”として、電力ビジネスの中の大きな競争力になると思います。これらは自治体や地域が持っている“資源”ですよね。

 公民連携という意味では、バイオマスボイラーなどによる地域への熱供給のベースとなる熱導管を自治体が整備して、このインフラ部分は50年~100年といった長い年月で返済していくようにする。そして、このインフラの上に乗っているエネルギーの売買の部分について、地域密着型の企業などが出資してビジネス展開すれば、地域にお金が回るモデルが成り立つ可能性が出てきます。そうなれば、地産地消のエネルギーを使うことでお金が地域内で環流することにもなります。

 それがひいては、国土強靱化にもつながってきます。自治体が災害対策を考えるときに、分散型エネルギーへの投資というのは大きな要素の一つになってくるはずです。

――バイオマスエネルギーの普及自体、日本ではまだこれからです。そうした中でも、未利用木材と比べると、生ごみなどを活用する話はあまり聞こえてこない気がします。

 森林資源の活用と連動したバイオマス活用やコージェネレーションシステムだけでなく、ウェット系バイオマス、つまり、生ごみや汚泥なども、もっと活用していくべきだと思います。

 技術はもうできています。自治体が縦割りを廃して、エネルギービジネスを前提としてごみ処理の事業を進めていければいいのですが、そうなっていないから進まないんです。例えば「ごみ処理のコストが削減できるならエネルギー事業が赤字でも差し引きで黒字になる」といったポートフォリオが、今の自治体にはありません。「エネルギー事業はエネルギー事業だけ、ごみ処理はごみ処理だけ」なんですね。

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