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公共施設再編は、縮減・除却だけでは進まない

FMは加点評価で――建築保全センター 保全技術研究所第三研究部次長の池澤龍三氏に聞く

聞き手:赤坂 麻実=ライター、黒田隆明 構成:赤坂 麻実=ライター【2016.6.16】

(写真:編集部)

FM(ファシリティマネジメント)先進自治体として知られる千葉県佐倉市でFM業務に携わり、現在は一般財団法人建築保全センター 保全技術研究所第三研究部次長で、同・公共建築マネジメント研究センター主任研究員を務める池澤氏に、公共FMの向かうべき方向性について聞いた。

――以前、池澤さんが参加されていたパネルディスカッションで「面白くないと公共FMは続かない」と発言されていて、その言葉がとても印象に残っています。

 今のFMは、そもそも公共施設に対する考え方がネガティブだと感じます。行政は利用率を個別に算定して、低いから整理しようとか、ネガティブ評価に基づいて公共施設を考えている。でも、マネジメント側には重要な指標でも、住民からすれば、利用率が低いから整理していいとは思えないはずです。減点評価ではなく、加点評価する視点が必要だと思います。

 複合化したら、こんな楽しいことが起きる。話をそこから始めて、自治体職員も住民もその実現に向けてエネルギーを注げるようになるといいのではないでしょうか。

 住民へのプレゼンテーションでは、例えば「図書館の貸出1冊当たりのコストがこんなに膨らんでいる」と衝撃的な数字を出すのも「あり」だとは思います。ただ、最終的な目的は、住民が楽しく暮らせることであり、目を輝かせて公民館や図書館に来られるようになることであるはずです。そのことは常に意識していたいですね。

 また、「次世代に負債を残さない」という言い方もよくなされますが、次世代には選択の自由を残すべきだと私は思います。

 私は以前、佐倉市でFMを担当していましたが、佐倉市では保育園をリースで整備したことがありました。10年後にリース期間が終わったら、その時の住民、職員、みんなで話し合って、老人福祉施設でも何でも、その時に一番必要なものに変えればいい。建物がいらなくなったのなら、更地にして土地として活用してもいい。建物を残すのではなく、自由度を残す空間づくりをするという発想です。自前で鉄筋コンクリート造の施設を建ててしまったら、身動きが取れません。

 公共資産のデータベースをしっかり構築して、「メドをつけておくから、次世代のことは次世代に任せるよ」という発想があってもいいはずです。

――縮減・除却を目的にするよりも、未来に向けてプロジェクトを構想する方が、自治体のFM担当者も前向きに取り組んでいけそうです。

 FM担当者だって、ネガティブ評価ばかりしていると気が滅入ってしまって、そこから新しいものは生まれません。役所でポジティブな話をすると「ウザい」と思われる風潮を感じることもありますが、原点に戻って、役所で堂々と青臭い話をしていく空気をつくらないと、モチベーションは保てない気がします。

 それと、自治体職員は「コーディネーター」、つまり調整役を自任する人が多いのですが、100人が全員コーディネーターではモノはつくれません。今こそ、自治体職員がプロデュース力を磨かなくてはいけないと思っています。外部の人に入ってもらうのもいいですね。もっと人材を流動化して、プロデューサー的な仕事をする様々な人たちに、市役所や県庁に入ってきてもらえばいい。

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