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図書館から考える公民連携――「ハード優先」では情報空間と融合できない

アカデミック・リソース・ガイド代表取締役 岡本真氏に聞く

聞き手:黒田 隆明【2016.4.19】

図書館専門誌「ライブラリー・リソース・ガイド」を発刊し、図書館のコンサルティングなども手掛けるアカデミック・リソース・ガイド代表取締役の岡本真氏に、図書館における公民連携の在り方について聞いた。市民力の生かし方、災害時の対応、ハードとソフトの融合、コワーキングの可能性など、解決すべき課題や展望を、先進事例の取り組みを交えて語ってもらった。

(写真:加藤 康)
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――「新・公民連携最前線」では、民間企業による公共図書館の“客層拡大”という観点で特集を組みました。全国の図書館の現場をよく知る岡本さんに、図書館における公民連携のあり方や可能性についてお聞きできればと思います。

  自治体職員や議員、首長の方たちに図書館と公民連携というテーマで話をするときに、最近よく申し上げているのは、「民=民間企業オンリーという意識になってないか」ということです。

  つまり、一般の市民も「民」には含まれるはずですよね。NPOが指定管理者になっている図書館は全国に数十館ありますが、これも1つのやり方です。例えば鹿児島県指宿市の図書館は、地元の人たちが立ち上げたNPO(本と人とをつなぐ「そらまめの会」)に指定管理を任せています。

 最近は制度が整ってきたので、一般社団法人をつくるという手もあります。また、ライブラリー・オブ・ザ・イヤー(Library of the Year)2015で大賞を受賞した多治見市図書館(岐阜県多治見市)の場合は、市の文化財団(公益財団法人多治見市文化振興事業団)が指定管理者になっていますが、丸投げではなく、きちんと選考プロセスを経たうえで図書館の運営や経営に当たっています。

「協働」では生ぬるい

――図書館はボランティア活動も盛んですね。

 伊万里市民図書館(佐賀県伊万里市)の場合は、市民のフレンズ組織が非常に強固で、年末の大掃除であるとか、本来なら行政コストが掛かるところを市民と一緒に丸抱えでやっています。こうした活動は、市民の自立意識、あるいは自治意識を育てるという大きな意味がありますが、行政コストの抑制にもつながっているわけです。これも1つの公民連携のあり方だと思います。

  ですから、民間企業に「はい、お願いします」と丸ごと指定管理に出すというやり方が、本当にコスト削減になっているのかというと、そうとばかりは言えないと思っています。別のやり方で賢くコスト削減をして、かつ住民の地域への参画意識を生み出すことを実現する方法もあるはずです。

――いわゆる「市民協働」の枠組みを発展させていくという方向でしょうか。

 私は、もはや市民協働の時代は終わったのではないかという気がしています。要するに「住民に自治していただくしかない」ということです。「協働」などという生ぬるいことでは、もはや自治体経営が成り立たない地域も出てきています。新しい今の時代に見合った住民自治を発明していく必要があるでしょう。

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