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南アルプス市の6次産業化拠点「完熟農園」

開園4カ月で運営資金が不足、教訓生かし商品と販売チャネル充実へ

菊池珠夫=日経BPクリーンテック研究所【2015.12.2】

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完熟農園のウェブサイト

 農家の増収を目指してスタートした山梨県南アルプス市の「南アルプス完熟農園」(以下、完熟農園)。ところが2015年6月の開園から4カ月で、資金不足に陥った。開園前の準備不足でオリジナル商品がそろわず、天候不順による不作も重なり、魅力ある商品、売る商品が不足した――。完熟農園の運営会社、南アルプスプロデュース(資本金5000万円、うち60%を南アルプス市が出資)はその原因を説明する。また、初年度の売り上げ計画は7億8000万円だったが、開園から10月までの5か月の売り上げが約1億9000万円にとどまった。残りの7か月で5億9000万円を売り上げての目標達成は厳しい状況だ。

 南アルプス市は運営会社の南アルプスプロデュースに対し、当初融資した5億円に加え10月に急きょ5000万円を追加で貸し付けた。11月には有識者による経営刷新委員会を発足、経営の改善策を12月24日までにまとめる。だが、経営刷新委員会の報告を待っている暇はない。できることから増収策を打ち始めた。また、完熟農園のマルシェに商品を供給する生産者協議会の加盟者に経営安定化のためにと出資を募っている。

地域活性策の柱として建設

 完熟農園は、観光客の受け皿となる施設で、農家の増収を実現する南アルプス市の地域活性策の柱の一つである。同市は、2012年7月に「競争力と持続力のある交流6次化モデルの構築特区」の指定を受け、完熟農園の建設を決めた。こだわりの商品として地元の新鮮で美味しい作物を揃え、それを適正な価格で販売することで農家に利益を還元する。新鮮な野菜や果物とこだわりの商品を地元の競争力とすることができれば、農家に還元される利益が持続力を高める、という狙いである。

 南アルプス市には、登山や果物狩りなどに年間60万~70万人の観光客が訪れる。その観光客が、食事をしたり、お土産を買ったりする場所がこれまで市内にはなく、せっかく市に来た人たちが、食事やお土産を求めて市の外へ出てしまっていた。観光客を市内にとどめる役割を担う施設として完熟農園が機能すれば、市にとって大きい。

 同市ではさらに、今後は山登りのガイドを置く市営バスのターミナルとして、完熟農園を交通の拠点にするといった構想も持っている。鉄道の駅がない南アルプス市は、多くの人が利用する広場のようなものがなかった。完熟農園が、そういう広場の役割を果たす。観光客だけでなく、市民が生活しやすいように、積極的に活用する。完熟農園があることで、市がそういったまちづくりの工夫を考えやすくなった。

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