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「ウォーキング」という付加価値で温泉に人を呼ぶ

上山市長 横戸長兵衛氏に聞く

聞き手:遠山敏之=日経BPビジョナリー経営研究所【2016.7.22】

山形県の南東部、蔵王の玄関口の「かみのやま温泉」で知られる上山(かみのやま)市は、「上山型温泉クアオルト構想」を打ち出し、市民の健康増進と交流人口の拡大を図ろうとしている。市内にウォーキングコースを設置し、温泉と組み合わせて、企業や健保の福利厚生需要の取り込みに乗り出している。陣頭指揮を執る横戸長兵衛市長に聞いた。

(写真:松田高明)
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――ドイツで療養地、健康保養地を意味する「クアオルト」という考え方を市の重要事業と位置付けています。その意図は?

 2007年に私が市長になったとき、1人当たりの医療費や高齢化率は山形県内でも高水準でした。これをなんとかしなければと思っていた時、たまたまドイツに行っていた市の元職員がクアオルトの考え方を披露してくれた。聞いた瞬間、「これだ」と思い、準備室を立ち上げました。2009年度のことです。

 クアオルトは、温泉など自然の力を利用して健康を増進させるというドイツの考え方ですが、そこにウォーキングを組み合わせれば、市民の健康増進を図ることができ、さらに健康に興味がある市外の人や企業を引き付けて交流人口の拡大を実現できると思ったわけです。温泉を売りにする自治体は、それこそ山のようにありますから、ひと味違ったアピールをしようということです。

――具体的には、何をしたのですか?

 市内にウォーキングコースを作りました。全部で19コース。うち5カ所8コースは、そこに滞在することが人間の体にどう影響を与えるかという「医学的気候学」の世界的権威、ドイツ・ミュンヒェン大学のアンゲラ・シュー教授の指導により、日本で唯一「ミュンヒェン大学認定コース」に認定されています。もともと、ドイツ南部にあるドナウエッシンゲン市と20年前に友好都市盟約を締結しており、その縁でミュンヒェン大学と出会うことができました。

市の西側、葉山コースの頂上にある葉山神社から見た上山市の全景。蔵王を背にした盆地であることが、温泉と坂に恵まれた土地であることが分かる(写真提供:上山市)
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現地にはコースを説明する掲示もあり、観光客のような初めての人でもウォーキングを楽しめる手助けをしている(写真:編集部)
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 上山は人口3万人あまりの小さな自治体ですが(3万1586人、2016年5月末現在)、蔵王連峰の玄関口にあたり、周囲を山に囲まれています。市内の中心からほど近いところに坂が多く、ウォーキングの負荷が上がる良いコースを作れる土地です。現在は、無料の早朝ウォーキングを始め、専任ガイドがつく有料ウォーキング、企業健保ウォーキングなど複数のプログラムを実施しています。

 「クアオルト健康ウォーキング」を2009年に始めた時は、参加者はわずか371人でしたが、2015年はリピーターを含め、1万3794人になりました。私も出張など特別なことがない限り、毎日朝4時半に起きて、歩いています。結構たくさんの人に会いますね。多くは地元の方ですが、温泉街の宿泊客も少なくありません。

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