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細野透 「危ない建築」と「安全な建築」の境目を分けるもの建設

細野透:マンションを傾斜させた旭化成建材の罪深い行為(1/4ページ)

2015.10.16

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「パークシティLaLa横浜」杭欠陥工事の原因

 杭の欠陥工事によって住棟が傾いてしまった「パークシティLaLa横浜」は、ウェストコート(西棟)、フォレストコート(森棟)、センターコート(中棟)、サウスコート(南棟)の4棟に分かれています。

 西棟──建物の傾きが発見された棟。杭52本のうち、28本を調べた段階で、6本が支持層(固い地盤)に届いておらず、2本は支持層に届いていましたが深さが不十分でした。そして欠陥があった8本を含む計10本について、施工データが偽装されていたことが判明しています。

 中央棟──杭18本で施工データ偽装。
 南棟──杭10本で施工データ偽装。
 森棟──不明。

「なぜ、杭が支持層に届いていなかったり、打ち込み深さが不十分だったりしたのですか」

「横浜に特有な支持地盤層の変化を、デベロッパー(三井不動産レジデンシャル)、設計者、建設会社(三井住友建設)、杭工事会社(旭化成建材)を含めた関係者が知らなかったのか、甘く見たためと考えられます」

「それはどういう意味ですか」

「仮に敷地の地表面が平坦であっても、地下深くにある支持層(固い地盤)は決して平坦ではなく、凹凸が多いということです」

「支持層の凹凸を知るためにはどうすればいいのですか」

「杭を打ち込む前に、ボーリング調査をして、地盤の強度を調べる必要があります。西棟は52本の杭で支えるわけですから、本来であればその52カ所をすべて調査しなければなりません。しかしボーリング調査には、深さにもよりますが、1カ所当たり10万円~20万円程度の費用がかかります」

 「今回はボーリング費用を節約するために、あるいは工期がきつかったために、全数調査をしていなかったと思われます。ボーリング費用に1カ所15万円かかると仮定すると、52カ所で780万円かかるのに、20カ所だけ調査したとすると、費用は300万円で済んだ計算になります」

「全地点をボーリング調査しないと、どうなりますか」

「支持層が平坦ならいいのですが、どこかに窪み(凹部)があると、杭の長さが不足してしまいます。例えばA地点・B地点・C地点のうち、A地点とC地点の支持層がボーリング調査で深さ15メートルと分かったため、中間のB地点の支持層も深さ15メートルと推定していたのに、実際には窪みがあって支持層の深さが20メートルだったとします。すると杭の長さが5メートルも不足してしまいます」

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