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財部誠一「帰還~脳梗塞との闘い365日の記録」ビジネス

財部誠一:「帰還」(第5話)言葉のリハビリ乗り越え、カムバックに手応え(1/4ページ)

2016.04.05

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(第4話「麻痺した右手を動かせ!」はこちら

改めて知った日本語の複雑な舌の動き

 今でこそ私は普通にしゃべれるようになったが、言葉のリハビリも大変苦労した。入院当初は、大きな声が出ない、かすれている(これは依然からではあるが)など、声質の問題があり、また、滑舌が悪く、明瞭に話せないという、私にとって致命的な問題があった。

 担当の言語聴覚士は私のテレビ出演のDVDを丹念に見ながら、様々な対策を講じて元に戻るよう訓練してくれた。非常に興味深かったのは、かつての私はかなり早口で多い時には1秒間に17文字も話していると指摘されたことだ。「客観的に見てこれは多すぎる。そこまで早く話す必要はありません。1秒間に13文字で良いです」と、くぎを刺された。(なんという緻密さ!)

 彼女には本当に救われた。例えば滑舌の問題を解決していく際にも、特別な訓練を施してくれた。多くの日本人が英語のLとRの発音に苦労した経験があると思うが、日本語も複雑な舌の動きを要求されていることをご存知だろうか。

 当たり前になっているので気が付かないのだが、例えば、タ行は英語のLを発音するときと同じように舌を上あごに付ける。ラ行は舌をタ行よりも奥の位置において軽くまるめて発音する。「パ」や「マ」は破裂音と言い、唇を合わせて破裂させて発音する。もっと細かく言うとカ行も破裂音で、舌の奥の方を少し破裂させて発音している。

 そのほか、摩擦音、有声音、無声音など、発声の仕組みを図に書きながら論理的に教えてくれた。頭でわかれば発音できるというものではなく、これは繰り返し練習するしかないが、論理的に考えることはやはり物事の全体像を理解することになり、大いに助けられた。

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