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小林至「スポーツ経済学ゼミ」ビジネス

野球賭博が明るみになったプロ野球、ギャンブルの対象とすべきか?(1/5ページ)

2016.12.19

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 先日、ルートインBCリーグの10周年記念式典に出席しまして、星野仙一さん、BCリーグ代表の村山哲二さん、わたし(司会を兼務)とで「日本プロ野球の未来と独立リーグが果たすべき役割」と題したシンポジウムを行いました。

 そこではまず、大小様々な障壁に直面し、度々の経営危機を乗り越え、来季は2球団増えて10球団となるBCリーグは、日本初の独立リーグである四国アイランドリーグプラスとともに、野球界のみならず、スポーツ界にとって、重要な役割を担っていることを、一同、再認識しました。

 スポーツは、この6月に閣議決定された成長戦略『日本再興戦略2016』において、新たな有望成長市場に位置づけられ、スポーツ市場の規模を2015年時の推計5.5兆円から、2025年に15兆円にするという数値目標も掲げられました。

 これだけ成熟した国家において、市場規模を3倍にまでしようという、一見すると野心的な数値目標が掲げられた背景には、おなじ先進国である欧米諸国において、スポーツ、とりわけ「みるスポーツ」つまりスポーツ興行が、映像や情報の伝達手段が飛躍的に発達した1990年代後半以降、つまりIT革命の恩恵で、倍々ゲームの成長を遂げ、大きな産業になったことがあります。

 そしてその原動力は、世界中にその名を轟かせることができるブランド力を築いたリーグやクラブですが、実は、これらを下支えするがごとく、地産地消のチームが無数にあるのです。その地域リーグやクラブが担っている役割は、まず、競技者にとっては、トップリーグへの登竜門であり、全国あるいは世界を市場とするトップリーグを、ステイタス、報酬などにおいて、要するに、トップリーグたらしめている裾野です。また、金銭面、距離面、心理面いずれの面においても、容易にアクセスできる地域リーグは、当該競技の支援者を草の根で増やす、当該競技の普及の支部としての役割も担っています。

 そして、こうした無数の地産地消のチームが果たしている、産業としてのスポーツの観点において最も重要な役割は、地域にとっての、健全な娯楽として、アイデンティティとして、地域のエコシステムの一翼を担っていることなのです。

 日本においても同じことで、スポーツ興行が産業として育つには、スポーツ興行が地域のエコシステムの一翼を担うことが必須なのです。

(写真:PIXTA)
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